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専門医インタビュー

歳だからとあきらめないで 両側同時の人工股関節置換術で活動性を取り戻す

この記事の専門医

佐藤 貴久 先生
  • 佐藤 貴久 先生
  • 善衆会病院 診療部長 整形外科部長 人工関節センター長
  • 027-261-5410

群馬県

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1998年 山形大学医学部卒業、1998年 群馬大学整形外科入局、2003年 伊勢崎市民病院、2004年 群馬大学整形外科 医員、2006年 助教、2012年 部内講師、2013年 公立富岡総合病院 整形外科医長を経て2016年4月より現職。日本整形外科学会専門医、日本股関節学会、日本人工関節学会、東日本整形災害外科学会、関東整形災害外科学会、日本小児股関節研究会、日本リハビリテーション医学会、関東股関節懇話会幹事。

この記事の目次

それぞれのリハビリメニューで

リハビリテーションルーム

リハビリテーションルーム

手術直後から脚を動かし、さらに翌日からは歩行器を使って歩くように指導しています。手術後は「安静に」と思われるかもしれませんが、脚の動きを良くするためには、しっかりと脚を動かすようにしてください。右向き左向き、どちらに寝返りを打っても大丈夫、どんな動きをしても人工股関節が外れない、という角度で挿入しています。
患者さんの手術前の歩行状態、関節変形の度合い、年齢や筋力などは様々です。また、すぐに職場復帰をしたい、もともと車椅子生活だったから時間はかかっても自分の脚で立って歩きたいなど、目標設定もそれぞれ違います。リハビリプログラムは、50名以上いるリハビリスタッフと患者さんに合わせたリハビリプログラム作成し実施しています。

本人に自信がもてたら退院。退院後の注意点

リハビリの専門家がサポートします。

リハビリの専門家がサポート
します。

患者さんには、階段の昇降訓練が終わった頃に、「そろそろ自信が持てましたか?」と聞いています。ご自身が、自信が持てた時点が退院の目安ですので、安心してリハビリに取り組んでいただいています。入院してないと自信をもって退院できないという患者さんもいらっしゃいますから。入院期間は患者さんの状態によって異なりますが、1週間から1ケ月くらいです。
両側同時に手術をしても2週間から6週間くらいです。術前の状態によってはリハビリに時間がかかってしまうこともあります。
退院後は定期的に受診して頂きます。レントゲンを撮って、お話しを聞いて、リハビリ室で機能評価をします。
動き方、筋力、安定性などを確認し、歩く姿を動画に撮って、どれだけきれいに歩けるようになったかを見てもらいます。きれいに歩く姿を見れば、改めて、手術前はこんなにバランスの悪い歩き方をしていたのかと気づくのです。
歩き方だけでなく、いろいろなことに自信が持てるようになり見た目がずいぶん変わります。
行きたいところに行けない、やりたいことができないというストレスがなくなれば、性格まで変わるようです。多くの方は「手術をしてよかった」「もっと早く手術してもらえばよかった」とおっしゃいます。

人工股関節置換術後の活動制限について

人工股関節置換術は、股関節の機能を改善するための手術です。人工股関節にしたために、制限が出てしまうようだと機能改善とは言えません。痛みは取れても動作制限があれば精神的に不安になります。これをしてはいけない、あれをしてはいけないということは一切ないのです。動作も活動も、レクリエーションでやってきたこともどんどんしてください。退院後すぐにママさんバレーに復帰して、半年後には全国大会にまでいった方もいます。もともと楽しんでいたスポーツに復帰できる方は沢山いらっしゃいます。やめたほうがいいというような動きは特にありません。人工股関節のことを忘れている状態、意識しないで自由に動けるようになるように、サポートしていきたいと思っています。

股関節の痛みに悩んでいる方へメッセージをお願いします

佐藤 貴久 先生

「もう歳だから」とあきらめている方もいらっしゃるかもしれません。
健康寿命はどんどんのびており、80代の方でも麻酔に耐えられる方でしたら、手術を行っています。
また股関節が痛い、具合が悪い時、まずどこに受診して相談すればいいのか迷う方がたくさんいるでしょう。まずは股関節専門医のいる施設で相談してください。
我慢しすぎないで、痛みの状態を適正に把握し、痛みから解放され、活動の範囲を上げる方法にはどういうものがあるのか、きちんと説明を受けましょう。
少しでも痛みから解放される患者さんが多くなればと思います。


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