関節治療の専門医に聞いてみました!

第163回 筋力があれば、膝の痛みも軽くなる人工膝関節にもいろいろなタイプが

  • 山本 重吉 先生
  • 海保病院 整形外科 人工関節センター センター長
ドクター
プロフィール
資格:日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会指導医、日本整形外科学会脊椎脊髄認定医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本リハビリテーション学会リハビリ認定医
エリア 千葉県タグ
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山本 重吉 先生

膝痛に大いに関係しているのが、膝を支えている周囲の筋肉です。「手術を受ける人も、受けない人も、筋力トレーニングが最も大事」と話す山本 重吉先生。膝の痛みは年だから仕方がないとあきらめないで、相性のいい専門医を見つけて、不安や疑問を相談してみてはいかがでしょうか。

年齢による変化、体重増加、筋力低下、ほかにもいろいろ?

KL 分類(変形性膝関節症の重症度を表す分類)

KL 分類(変形性膝関節症の重症度を表す分類)

年齢を重ねるごとに、軟骨や半月板はすり減って行きます。例えば、20歳前後には5~7ミリの厚さがある半月板も、徐々に薄くなり、中高年になると、立ち上がった瞬間に損傷することもあるのです。また、軟骨が剥げ落ちて、その破片(膝関節ネズミ)が動くたびに痛い(滑膜軟骨症)などは、誰でも起こりうる状態です。
他にも、痛風などの代謝性疾患を持っているために、膝が腫れて痛くなることもあります(関節水腫)。関節リウマチによる骨の軟骨の変成によるもの、腰痛のために前かがみに歩くようになると、膝が伸びなくなって拘縮を起こしやすくなる、他にも感染等、膝痛にはいろいろの原因があります。

変形性膝関節症の特徴は?

変形性膝関節症のレントゲン

変形性膝関節症のレントゲン

膝の軟骨がすり減り、関節が変性していくのが変形性膝関節症です。特に膝の内側の軟骨が減る場合が多いです。
レントゲンで関節の変形の度合いを確認しますが、中高年の多くの人は、内側の軟骨が減って骨棘が少し出てきた状態ではないでしょうか。でも、だからといって全員に痛みがあるというわけではありません。
日本では畳を中心とした生活習慣が、膝関節を傷める誘因になっていると思われますが、軟骨のすり減りは、長年使ってきた証です。
階段や坂道を上り下りする時につらいのが、変形性膝関節症の特徴的な痛み方です。普通に歩いていても膝が何となく引っかかる、痛いという場合は半月板の症状でしょう。階段を降りる時には通常、体重の2~3倍の力がかかります。その負担が大きい時に痛みますから、減量も必要です。
膝が伸びなくなるのも変形性膝関節症の大きな特徴です。仰向けに寝て膝を伸ばし、その裏側に手を入れてみて下さい。膝がまっすぐ伸びていれば手は入りません。膝の後ろにスッと手が入るのは、膝が伸びていない証拠です。

変形性膝関節症の対応策を教えて下さい

足底板(普段の靴もクッション性の高いものを履きましょう)

足底板(普段の靴もクッション性の高いものを
履きましょう)

痛みがあれば、消炎鎮痛剤を出します。そして、自分自身で出来る筋力トレーニングの方法を指導します。膝関節を支える筋肉を大腿四頭筋と言い、それがしっかりしてくれば痛みは改善されます。マシーンを使った筋力トレーニングなど、理学療法士の元で運動療法をきちんと行うことも大切です。
O脚が強ければ、足底板や膝に装具を装着して、痛みを楽にする方法もあります。ヒアルロン酸の注射も悪くないでしょう。これらの保存療法を最低3 カ月は継続して下さい。
もう一つ大事なのは、靴。女性の靴は一般的に底が固いので、ぜひスポーツシューズのようにクッション性の高い靴に工夫してください。


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