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専門医インタビュー

もう一度、元気に歩くために、手術も選択肢の一つ。一歩前に踏み出す勇気を

この記事の専門医

金山 康秀 先生
  • 金山 康秀 先生
  • 豊田厚生病院 整形外科代表部長兼リハビリテーション代表部長兼リウマチ科部長
  • 0565-43-5000

愛知県

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資格:日本整形外科学会専門医、日本リウマチ学会専門医・指導医・評議員、中部リウマチ学会評議員、日本骨粗鬆学会認定医、日本リウマチ財団リウマチ登録医、日本整形外科学会運動器リハビリテーション医、日本医師会認定産業医、身体障害者福祉法第15条指定医(肢体不自由)

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この記事の目次

変形性膝関節症の治療法を教えてください

大腿四頭筋

大腿四頭筋

患者さんが整形外科を受診するきっかけは、「痛み」であることがほとんどです。そのため、整形外科では、痛みを改善するための治療を膝関節の状態に合わせて行っていきます。
変形性膝関節症の治療法には、大きく保存療法と運動療法、手術療法があります。
保存療法では、痛み止め薬、湿布薬などの薬物治療、軟骨の保護や炎症の改善を目指して膝関節内にヒアルロン酸注射を打つという治療が行われることもあります。さらに、運動療法として、太もも(大腿四頭筋)の筋力面を中心にリハビリを行っていきます。

変形性膝関節症で手術が必要になるのは、どのような状態ですか?

変形性膝関節症は少しずつ進行していく病気ですから、末期のほうになってくると、膝関節の隙間がかなり狭くなり、骨同士がぶつかり合い、変形もかなり進んできます。骨棘(こつきょく)という骨のトゲができてくるような状態まで進行してしまうと、薬物療法やヒアルロン酸注射、運動療法といった保存療法ではあまり痛みの改善は期待できません。手術療法によって膝関節の変形や痛みを改善していくのが適正な選択肢になってきます。
ただ、膝関節の変形と痛みというのは、多少は相関するものの、個々の患者さんで温度差があります。つまり、膝関節の変形がかなり強くても、保存療法によって痛みのコントロールができている場合は、そのまましばらく経過を見ることもあります。
たいていは、骨棘ができるような段階にまでなっていると、痛みの程度はかなり強いことが多いのです。そのため、痛みのコントロールが不良で、足を引きずっていたり、立ち上がるときや階段を降りるときにかなり強い痛みが出たり、日常生活に支障が出ている場合は、患者さんの要望も聞きながら、人工膝関節置換術などの手術療法を検討していくことになります。

変形性ひざ関節症の5段階分類

変形性ひざ関節症の5段階分類

手術を受けるのは早いほうがいいのでしょうか

手術を行ったほうがいい適切なタイミングというのはあります。日常生活動作に支障が出てしまっているほどの状態にまでなってしまうと、将来、さらに悪くなることはあっても良くなることはまずありません。放置しておくと、少しずつ日常生活動作が低下し、車椅子での生活を強いられたり、自力で動くことがままならなくなったりするおそれがあります。必ず手術しなければいけないということではありませんが、人工膝関節にすることで、どういう状態だとどの程度改善するかということは確率的にわかっていますので、整形外科医としては、歩けないほどひどい状態になる前に手術を受けていただきたいという思いはあります。
あるいは、加齢とともに心臓や血管といった循環器系の病気にもかかりやすくなります。そうした全身性の病気があると、そうでない人に比べてどうしても手術のリスクは高くなりますので、手術をするなら健康で体力もあるうちのほうが望ましいということも言えると思います。


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