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専門医インタビュー

膝の痛み我慢しないで! 専門医に相談して、適切な治療で豊かな生活を目指しましょう

この記事の専門医

  • 奥田 真義 先生
  • 医療法人桜希会 東朋八尾病院 院長・人工関節センター長
  • 072-924-0281

大阪府

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奈良県立医科大学卒業。同大整形外科教室に入局。奈良県立三室病院整形外科、奈良県立奈良病院救命救急センターなどを経て現職に。ドイツ留学(ベルリン・ベーリング病院)をはじめアメリカ・タイなど、海外での研修実績も多数。

この記事の目次

手術の翌日からリハビリが始まると聞きました。そんなに早く動けるのですか?

加圧トレーニングの機器

よく「手術後どれくらい安静にする必要があるのでしょうか?」と聞かれますが、手術翌日からリハビリは始まります。その段階ですぐに、立ったり、歩いたりできる方もいます。術後は膝を曲げることが怖いと感じる方が多いようですので、まずその緊張をほぐし、やわらげてから、ゆっくり膝を曲げる練習をしていきます。その後歩行練習などを行っていきますが、リハビリで大切なのは“本人のやる気”。中には、やる気が出ずになかなか歩けない人もいます。リハビリは、前向きな気持ちでがんばってほしいですね。
患者さんの症状によりますが、片脚手術の場合手術から退院まで2~3週間程度、両足同時手術の場合手術から退院まで4週間程度です。退院されるときにはみなさん、ちゃんと歩いて帰られています。杖は使いますが、車椅子で退院、なんてことはありませんよ。 入院中のリハビリも重要ですが、家でもしっかりとリハビリをする必要があります。当院では、「術後3カ月が重要」と指導しています。入院中はよかったのに、家に帰ったらリハビリをさぼって、曲がりが悪くなってしまうケースもあります。そういう時は、リハビリ通院をしてリハビリに励んでもらいたいものです。
また、最近では、リハビリメニューとして「加圧トレーニング」を行うケースがあります。腕や脚の付け根の部分を特別な加圧ベルトで締め、血流量を適度に制限した状態で行うトレーニング法です。本当に軽い負荷で、しかも短時間(20分程度)で行うことができます。早期に筋肉をつけることができる方法としてスポーツ界はもとより、最近では医療の分野でも注目されています。

手術を受けられた患者さんのその後の様子はいかがでしょうか?

実際に患者さんから寄せられた手紙

痛みが取れることはもちろんですが、特に女性から「まっすぐなきれいな足になった」ということをよくお聞きします。また、退院後にスポーツをはじめられる方はたくさんいます。ゴルフやヨガ、卓球やソフトボールをされている方もいますよ。みなさん、健康的になって、豊かな生活を送られるようになっていることは、本当にうれしいことですね。

人工関節にしたことで、日常生活で気をつけることや心がけるべきことはありますか?

人工関節のもちをよくしようと思うなら、できるだけ杖をつかうことをおすすめします。人工関節の対応年数は15年から20年あるといっても、人工関節がすり減り緩んでくることで、痛みが出る可能性はあります。そうすると、人工関節の入れ替え手術をしないといけないケースもあります。入れ替えの手術は最初の手術よりも難しく、時間もかかります。手術時間は長ければ長いほど、患者さんへの体の負担が大きくなり、細菌感染をするリスクも出てきます。ですから、人工関節にかかる負担を少なくして、長持ちさせるほうがよいと思います。
あと、転ぶのはやはりよくありません。人工関節が破損することはありませんが、その上に接している骨が折れてしまうケースがあります。骨粗しょう症だとその可能性も高くなるので注意が必要です。

膝の痛みに悩む方にメッセージをお願いします。

少しでも膝に違和感を覚えたら、とにかく、早めに整形外科を受診してください。自分で何とかしようとして、最後の最後に病院に駆け込むという人が多いですが、あまりにも症状が悪くなってからでは、手術も行いにくくなるなど問題も生じてきます。
膝が痛くて悩んでいる、日常生活に不自由を感じている人は、まずは近くの「膝の」専門医を受診し、痛みの原因を把握してください。“餅は餅屋”です。専門医だからこそ、正確な原因を調べて、より適切な治療をすることができます。我慢して悩んでいるのではなく、痛みは専門医に相談して、適切な治療で豊かな生活を送ってください。


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