メニュー

専門医インタビュー

膝の痛みは年齢や活動レベルによってさまざま 膝に痛みがあれば整形外科の専門医に相談を

大森 敏規 先生
  • 大森 敏規 先生
  • 岡山労災病院 リハビリテーション科部長 兼 人工関節センター長
  • 086-262-0131

岡山県

プロフィールを見る

日本整形外科学会専門医、日本体育協会公認スポーツドクター

関連するキーワードから探す

この記事の目次

年齢を重ね膝の痛みに悩まれている方は多いと思います。高齢者では変形性膝関節症が原因で膝の痛みをうったえる方が多いですが、年齢や活動性によって原因となる疾患はさまざまです。「日常生活において膝が痛いと悩まれている方は、まず整形外科専門医の受診をおすすめします。」とお話される岡山労災病院 リハビリテーション科部長 兼 人工関節センター長 大森敏規先生に、膝の痛みの原因や治療法、全置換術・部分置換術を含んだ人工膝関節について詳しくお話を伺いました。

ひざの痛みにはどのような原因がありますか?

正常な状態と変形性膝関節症のイラスト

年齢を重ねることにより、膝関節の軟骨が徐々にすり減ってきます。軟骨は骨と骨が直接ぶつからないようにクッションの役割を果たしていますが、これが摩耗することで骨同士がぶつかるようになり痛みが生じてきます。また、長期間にわたって骨が衝突することで、徐々に変形して多くは内反膝(O脚)が強くなり、疼痛のため歩行困難になってきます。この状態が変形性膝関節症です。
変形性膝関節症の方の多くは膝の内側が痛くなります。初期には立ち上がり時や動き始めに痛みを感じます。進行していくと歩行時にも痛みを伴うようになってきます。
膝の痛みには変形性膝関節症の他にも原因となる疾患があります。スポーツやケガなどによる膝の靭帯損傷や半月板損傷も痛みの原因となります。中には一刻を争うような病気が隠れている場合もありますので、自己判断せずに整形外科を受診してください。

保存療法とはどのような治療法なのですか?

ヒアルロン酸注射と装具療法

ヒアルロン酸注射と装具療法

手術をしない治療法を保存療法と言いますが、症状が軽い方にはこの治療法が行われます。保存療法には、太腿の前の筋肉をつけるストレッチやトレーニング、最も重要なのは膝への負担を減らすための体重管理です。この2つはすぐにでも自分で始められる治療と言えるでしょう。
その他には、膝関節内へのヒアルロン酸の注射や鎮痛剤の内服、装具療法などがあります。しかしながら、保存療法は痛みを完全に取り除ける治療法ではありません。

保存療法を続けてもなかなか痛みが改善しない場合、どのような治療法がありますか?

前述した保存療法を続けても痛みが取れない、また膝の痛みにより日常生活に支障をきたしている方は手術を検討しても良いと思います。人工膝関節置換術だけでなく年齢や活動性によっては関節鏡視下手術や脛骨骨切り術を考慮する場合もあります。
変形性膝関節症の進行により、買い物や旅行に行くなど外出するのも億劫になる、グラウンドゴルフなど軽スポーツをしたくても痛くてできない患者さんには、人工膝関節置換術が選択肢として提案されます。

変形性膝関節症5段階
変形性膝関節症5段階

この記事の医師がいる
病院の詳細はこちら

ページの先頭へもどる

PageTop