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股関節骨折とは、どのような状態ですか?

股関節骨折とは、股関節の一部を構成する大腿骨(だいたいこつ:太ももの骨)の上部が部分的または完全に折れてしまった状態です。股関節骨折は、その大半が大腿骨の頚部(けいぶ:股関節のソケット部分にはまり込む球状部分のすぐ下に続く部分)に発生し、残りは転子間と呼ばれる領域(大腿骨上部の外側の部分)に発生します。

股関節骨折の原因には何がありますか?

股関節骨折の起こりやすさは、年齢、病気の有無、性別などの要因によって変わってきます。50歳を過ぎると、股関節骨折を負う可能性が高くなり、5~6年が経過するごとに倍増するといわれています。骨は加齢とともに弱くなっていくものですが、この傾向は骨粗しょう症が多い女性で特にみられます。骨粗しょう症とは、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気です。女性ホルモンには骨量を保つ役割があり、女性ホルモンが減少した後の60歳代では2人に1人、70歳以上になると7割の女性と、かなりの高率で骨粗しょう症に罹ってしまします。日本には1,000万人以上の骨粗しょう症患者がいると推定されており、そのうち8割が女性といわれています。また、腰痛や背中の痛みといった症状以外、自覚症状が少ないのも特徴です。
骨粗しょう症になると、転倒時に骨折する確率が劇的に高くなります。股関節骨折全体の90%が転倒によるものです。女性が生涯に股関節骨折を負う確率は、男性の2~3倍と言われています。

股関節骨折と手術

骨折となってしまった場合、迅速な手術が必要となりますが、骨折の種類に応じて手術方法が異なります。
大腿骨の頚部に起きた骨折では、破片になった骨の末端部分を元の位置に戻し、内固定術と呼ばれる方法で固定できる場合もあります。しかしながら、大腿骨頚部の全体にわたって骨折が起き、大腿骨頭部(先端の丸くなった部分)への血流が遮られている場合には、最終的に大腿骨頭壊死と呼ばれる状態になる可能性もあります。その場合、人工股関節置換術の方が望ましい治療法となります。大腿骨上部の外側部分(転子間)で骨折が起きた場合は、血流が良好に保たれるため、通常は内固定術で十分に治療することができます。

内固定術

骨の丈夫な患者さんが股関節骨折を起こし、大腿骨への血流が正常に保たれている場合には、内固定術と呼ばれる修復法が適切な治療法となります。この手術では、折れた骨の両端を元の位置に並べて、小さな金属製の器具でしっかり固定します。 折れた大腿骨を元に戻して位置関係を再調整しておくと、そのままの状態にしておく場合よりも骨折の治りが早くなります。 骨粗しょう症のために骨がもろくなった患者さんでは、しばしば人工股関節置換術が最適な治療法と判断されます。

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