第15回 患者さんストーリー

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30年以上付き合ってきた痛みと決別。
前向きな人生を楽しむ日々

橋本 佳世子さん奈良県在住 80歳(手術を受けた年齢)
病名
両ひざの痛み
治療法
人工膝関節置換術
橋本 佳世子さん

80歳の時に両ひざの人工関節全置換術をされた橋本さん。とても82歳(取材時)とは思えない、若々しさと明るく前向きな性格が印象的でした。短歌や旅行がご趣味で、積極的に外へ出かけられ、人生を楽しんでいらっしゃいます。

旅の写真
30年以上前から痛み続けたひざ

最初に痛みを感じるようになったのは右ひざ。50代になる前くらいからです。私は子供のころから“O脚”がコンプレックスだったんですが、それが原因でひざが疲れやすくて痛むのかなと考えていました。

ある時、右ひざが急激に痛くなり、立つことができない状態になったことがありました。ちょうど、3日後にお宮参りがあるので付いて行くことになっていた時で、それまでには何とか治したい。そう思って、ひざにお灸をすえたり、温めたりして3日間過ごしたところ、なんとか痛みが治まり、無事にお宮参りに行けました。

それからも、右ひざが痛くなると、温めたりマッサージしたりしていました。しかし、50代半ばくらいになると、今度は左ひざにも痛みが出たんです。でも、針治療には行きましたけど、全然、病院には行く気がなくて(笑)。自分で痛みを抑えるというか、ごまかすように過ごしていました。

自分の身体にメスを入れるなんて…手術を拒否

どうしても痛みが治まらず、初めて病院での診察を受けたのが62歳の時。痛みはじめてから10年以上経ってからのことです。当時診てもらっていた先生からは、「もう手術したほうがよい」と言われました。でも、私は、『神様から授かった身体にメスを入れるなんて絶対嫌や』と思っていたので、すぐに断わりました。

それ以来、ひざ以外のことで病院に行った時にも、先生に会うたびに「手術する?」と言われるので、できるだけその先生に会わないようにしていたほどです(笑)。ですが、痛みがひどい時には、病院で注射してもらうこともありました。

テレビがきっかけで、人工関節手術を決心

少しでもひざ周辺の筋力をつけたほうがよいかと考えて、71歳で水泳を始めました。人工関節手術を行う前まで、約10年間続けました。その結果、筋肉がついて脚がしっかりしてきました。でも、階段の昇り降りのつらさは変わりませんでした。

水泳教室を3か月ほど休んだことがあって、その時はひどかったですね。骨と骨が直接擦れあう感じで、痛くて痛くて歩けなかったことは忘れられません。

ちょうどそんな時に、たまたまテレビ番組で人工膝関節手術をしている東京の病院が紹介されているのを見ました。病院の先生や実際に人工関節手術を受けられた方の話を聞いているうちに、『絶対この先生に手術をしてもらおう』と、東京行きを決心しました。すぐに東京の病院までの行き方を調べたくらいです(笑)。

息子の嫁が探してくれた、地元の病院
骨と骨がすれてしまっていることがわかる。

骨と骨がすれてしまっていることがわかる。

同居している息子の嫁が、『東京の病院で手術してもらう』と騒いでいる私に、「近くの病院で、一度診察だけでもしてもらってから、東京行きを考えられたら?」と地元の病院を勧めてきたんです。さらに、ひざの手術を受けて今は不自由なく生活されている方々のお話を、嫁の友人や知人を通じて情報収集してくれていました。私の足を常に気にかけてくれていたことに心を打たれましたね。

最後の迷いは、「先生への安心感」で払拭

数日後、早朝より嫁が手配してくれた病院で診察を受けました。評判にたがわず好印象の先生で、レントゲン結果やひざの状態、手術後のリハビリなどについて詳しく説明してくださったので、東京行きのことなどすっかり忘れていました(笑)。期待以上の懇切な説明に手術への決意は揺るぎないものとなりました。輸血用の貯血採取が3回終わる頃には、『いま手術を止めては血が勿体ない!』と真剣に考えた日のことが懐かしく思い出されます。

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