第28回 患者さんストーリー

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杖をつかなくても歩けることが、これほど楽でうれしいものとは……
自分の脚で踏ん張れるよろこびを実感しています。

永木 保次さん茨城県在住 59歳(手術を受けた年齢)
病名
臼蓋形成不全(左足)
治療法
人工股関節置換術

ウェイトトレーニングが何よりの楽しみという永木保次さん(62歳)が股関節の異変を感じたのは30代後半のことでした。59歳で人工股関節置換術を受けるまでの苦悩と試練。信頼できる医師との出会いと決断、さらに生きがいを取り戻したいまの心境などをうかがいました。

股関節を痛めた原因は何だったのでしょうか?
正常な状態・臼蓋形成不全

先天的なものだと思います。病院で撮ったレントゲン写真をみたら、左脚の骨頭の受け皿(臼蓋)になる部分が4分の1くらいしかありませんでした。右脚の関節はきれいに大腿骨の骨頭を覆っていましたが、左側はかぶりが浅い、臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)でした。素人目に見てもその違いはすぐわかりました。

そういえば、と思い返すと、30代後半の頃、会社でちょっと走ったら股関節がカクンと抜けた感じがしたことがあるのです。でも痛くはなかったし、一晩寝たら治ったので、あまり気にせずにそのまま……。3〜4年は何事もなく過ぎました。あとになって医師から「トレーニングで筋肉が強いから持ちこたえられたのでは。」と言われました。

ジム

筋力トレーニングは28歳から始めていました。もともと体が細くて小さかったので、体重を増やして大きくなりたかったんです。鍛えると体がどんどん変化していくのが楽しくて、マラソンのようにアドレナリンが出るためか、ハードなトレーニングはつらいどころか気持ちいいものです。でも足が地面に着くと痛いので、45歳の頃(手術を受ける14年前)には杖を作りました。

股関節の痛みとはどのようなものでしたか?

股関節の具合が悪くなるひとつのサインとしては、靴下が履きにくくなったことがあります。足を引き寄せてソックスを履く動作がなぜだかうまくいかない。でも受診する気になった直接のきっかけは、坐骨神経痛に似た腰の痛みでした。坐骨あたりが重くてちょっと痛いのですが、腰のレントゲンを撮っても原因は分かりませんでした。続いて股関節のレントゲンを撮ると、先生から「痛みの原因は腰ではなく股関節ですよ」と言われました。運のいいことに、その先生はかつて多くの股関節の手術を執刀された経験がある方でした。そのときは「薬で痛みを抑えましょう」となりましたが、胃に負担がかかるので、できるだけ薬を飲まずに過ごしました。

何年か経ち、痛みがさらに強くなり始めたころ、先生から「将来は手術しなくちゃならないからね。頭に入れておいて」と言われました。

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