関節治療の専門医に聞いてみました!

第130回 筋トレ、減量、骨切りから人工膝関節まで
一人一人に合わせた治療法を提案します

上野 岳暁 先生
ドクタープロフィール
日本整形外科学会:専門医
身体障害者福祉法第15条:指定医
平出 敦夫 先生
ドクタープロフィール
日本整形外科学会:専門医
日本整形外科学会認定:スポーツ医
日本整形外科学会認定:リウマチ医
日本整形外科学会認定:リハビリテーション医
身体障害者福祉法第15条:指定医
義肢装具等判定医
エリア 神奈川県 タグ
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膝の痛みを抱えて外出もままならず、歳を取るってこういうことか…とあきらめの毎日を送っている人。その我慢している年月・時間がもったいない。歩けなくなる前に、もっともっと活動的な生活を手に入れるヒントを、お二人の専門医にうかがいました。

動き初めに痛いのが変形性膝関節症

膝の模型

診察では膝の模型を使ってわかりやすく説明します。

上野 高齢の、特に女性の膝の痛みの原因は、ほとんど変形性膝関節症と思ってもいいかもしれません。変形性膝関節症とは加齢変化の一種で、膝の軟骨が摩耗して変形、膝関節が痛くなる疾患です。進行すると軟骨を支える骨も削れてしまい、歩行が困難になります。もともと関節が変形しやすい体質の人に起こりやすいともいえますが、若いころから膝に過度な負荷をかけたり、激しい衝撃を加えるようなことがあると、年齢とともに徐々に膝関節に影響が出てきます。影響を与えるのが過体重、肥満が大敵です。

平出 変形性膝関節症の特徴は、動き始めると痛くなるけれど歩いていると治まる、階段の昇降、特に降りるのがつらい、膝を曲げるのがつらく、腫れて水がたまったりすることもあります。半月板損傷や、血流の障害によって起こる大腿骨頭壊死症でも似たような痛みが生じてくることがありますから、早めに整形外科を受診して原因を調べてもらいましょう。

どんな治療法がありますか?

上野 膝が痛いからと大事にし過ぎてじっとしていると、よけいに悪くなります。膝周りの筋肉を強化することと減量、この二つが症状を軽くする基本です。ふとものの筋力が弱いと膝により負担がかかりますから、大腿四頭筋を強化する運動を中心に行ってください。関節の変形が初期の段階なら、筋トレだけでも十分に改善しますから、しっかり目的意識をもって筋肉強化トレーニングを続けてください。ヒアルロン酸の注射も効果があります。一般的には月に1~2回程度の患部注射で、膝の動きがスムーズになる人も多いですね。

サポート装具

サポート装具

平出 もしO脚があれば、サポート装具などを使って膝への負担を軽くする方法を取る場合もあります。若いうちからO脚気味の人は、加齢や過体重が重なってくるにつれてさらにO脚が進みます。膝の一部分にだけ重心がかかり軟骨が傷んできますから、早め早めに手立てをしておいたほうがいいでしょう。筋トレは、膝関節を守る大事な予防法にもなります。

脚を修正する高位脛骨骨切り術

高位脛骨骨切り術(HTO)

高位脛骨骨切り術(HTO)

上野 まずは保存療法を頑張って、それでも進行していく場合は手術になりますが、手術にもいくつかの方法があります。関節鏡を使って関節の中をきれいにする方法や、高位脛骨骨切り術(HTO)、重度であれば人工膝関節置換術が行われます。

平出 40 代、50 代の、まだ活動的でスポーツもやりたいという人には高位脛骨骨切り術を勧めています。膝の内側の骨を切って開きプレートを入れてO脚を修正、全体の形をX脚に持っていく手術です。軟骨が減っている部分にさらに重心が通らないように調整するのですが、残っている軟骨が再生するケースもあります。


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