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専門医インタビュー

性能も良くなり、耐久性もアップ、手技も進歩してきた人工股関節置換術

この記事の専門医

関 一二三 先生

長野県

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日本整形外科学会、日本股関節学会、日本臨床リウマチ学会、日本人工関節学会

この記事の目次

年齢制限はありますか?

人工股関節置換術を希望される人の場合、手術の麻酔などに耐えられる人であれば、年齢の上限は特に設けていません。
変形性股関節症の患者さんは、膝関節が悪い人に比べて若干若い人が多く、仕事をされている人や、子育て真最中の人、親の介護を行われている人など、まだまだ現役世代の人が多くいらっしゃいます。
そういう人の場合、仕事を長期に休みにくく、また入院中に誰かに子どもの面倒を見てもらうにしても、あまり長いのは困るわけです。そのせいか最近では比較的若い人でも、入院期間が短く、社会復帰の早い人工股関節手術を希望される人が増えています。
仮に再置換する必要があっても安全に行えるので、50代の人が手術を考える場合、人工股関節を検討されても良いかと思います。さらに今後は、必要なら20代、30代でも人工股関節置換術を行い、20年30年後に再置換、一部分だけの部品交換をする、そんなことを考えても良いと思います。

前方アプローチで手術後に制限のない生活を

前方アプローチ

前方アプローチ

以前は、お尻の方から侵入する後方アプローチで手術を行っていましたが、現在は、前方からのアプローチで手術を行っています。前方アプローチによって、関節の後ろの細かいけれど大事な軟部組織、筋肉を温存することができます。後方側の筋肉は何の影響も受けないので、人工股関節を十分に守ることができ、深く曲げてもひねっても外れることなく安定しているので、術後特に動作制限はもうけていません。
また前方アプローチだと、ほとんど筋肉を傷つけることなく手術を行うことができるため、手術後早い段階から痛みも少なく自由に動け、そのため、回復も早く、入院期間も短いなどの利点があります。
片方の股関節しか痛くならない人が多いのですが、両方の股関節が同じように変形して痛みが強い場合は、両方同時に手術をすることもあります。
また、股関節が痛い人は、股関節の痛みをかばうためひざも痛めてしまうことが多くあります。私は股関節の治療とともに、ひざの治療も行うので、中には、ひざ・股関節同時に人工関節置換術を行うこともあります。
両方の股関節だけでなく、股関節・ひざと2回しなくてはならない手術を、1回で終えることが出来るので、手術や出血など患者さん自身への負担は非常に少なく済みます。

術後の痛みもほとんどなく、階段の上り下りができれば退院

リバビリ室

リバビリ室

人工股関節置換術の際、出血は少ないのですが、あらかじめ自己血を採っておき、いざという時にはそれを使います。 最近は、手術による痛みを抑える工夫も進歩しているため、手術後の痛みも以前に比べて格段に少なくなっています。例えば、全身麻酔に加えて、末梢神経ブロックという局所麻酔も用いて痛みを和らげます。さらに、腫れと痛みを抑える薬や止血剤、炎症を静めるステロイドなどを混ぜたカクテル注射を用いているので、手術後の痛みは以前と比べかなり軽くなっていると思います。
数10年前に片側の人工股関節置換術を受けた人が、手術後の痛みがつらくて二度とやりたくないと言っていたのですが、もう片側の股関節も変形が進み、痛みが強くなってきたので仕方がなく当院で手術をしたのですが、今回の手術後は「全く痛みがない」とおっしゃられ、大変驚いていました。そのくらい今は、疼痛管理が進歩しているのです。
当院の人工股関節置換術では、およそ3週間の入院が普通です。手術後2,3日は歩行器を使って歩き、杖がなくても少し長い距離を歩くことができるように練習をします。自力で階段の上り下りができるようになれば退院です。


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