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専門医インタビュー

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この記事の目次

「高齢者は、ぎりぎりまで痛みを我慢している方が多い」と話す佐藤貴久先生。股関節の痛みや不自由な生活を年齢のせいにしてあきらめないで。どんな治療法を選べるか、股関節の専門家と一緒に考えて、健康寿命を延ばしませんか。

さまざまな世代の方が抱えている股関節の痛み

寛骨臼形成不全の股関節

寛骨臼形成不全の股関節

当院はスポーツ整形に特化した病院なので、患者さんの年齢層も幅広くスポーツで股関節に異常をきたした10~20代から、股関節が硬くなって動きづらくなったご高齢まで、さまざまな症状の患者さんが受診されます。
ご高齢の患者さんが股関節の痛みを訴える場合、変形性股関節症が主な原因であることが多いです。変形性股関節症の8~9割は、生まれつきある寛骨臼形成不全が原因といわれています。股関節は、歩いているだけでも体重の2~3倍、階段の昇降なら4~5倍の力がかかるといわれているのですが、寛骨臼形成不全の方ですと、無理なことをしていなくても余計に股関節にストレスがかかって軟骨が減ってしまいます。

痛みの原因は股関節だけでないことも

股関節や腰、背骨の痛みはそれぞれが関係していることがあります

股関節や腰、背骨の痛みは
それぞれが関係しているこ
とがあります

股関節は、骨盤と大腿骨の間にある関節で、腰と骨盤と股関節は隣どうしでつながっています。そのため、股関節に不具合が生じると、腰や背骨にも影響が及ぶことが多くあります。腰が痛いと思われていた患者さんが、実は痛みの原因が股関節にあったり、その逆に股関節が痛いと思っていたら、痛みの原因は腰であったり、または両方が関係していることがあります(ヒップ スパインシンドローム)。このように股関節と腰は相互に関係していることがありますので、痛いと思われている箇所だけを診ていると、本当の痛みの原因を見落としてしまうことがあります。そのため、股関節の痛みを訴えられる場合でも、痛みの原因が腰にないかということも考えながら診断を行うようにしています。
また、股関節と腰両方の状況が悪い場合、腰から治療したほうが良いのか、または股関節から治療したほうが良いのか迷うことがあると思います。当院では、脊椎専門の先生と連携し、どちらから先に治療すれば良いかを相談・検討しながら、患者さんにあった治療を進めるようにしています。

変形性股関節症の治療法について

変形性股関節症のレントゲン

変形性股関節症のレントゲン

薬物療法、理学療法や装具療法などの保存的治療から、骨切り術、人工股関節置換術まで、変形性股関節症には様々な治療法があります。保存的治療を続けても一向に改善しない、痛みが強くて動きづらい、外出もままならないなど日常生活に弊害が出てきたら、我慢する必要はないと思います。お話をよく伺った上で適した治療法を選択していきます。状態によっては「手術を選択してはいかがですか」とお話をすることがあります。
変形性股関節症の初期の段階で、軟骨の変形がほとんどない40代前半くらいまでの若い患者さんの場合、骨切り術という方法もあります。関節近くの骨を切って関節の向きを矯正し、重心がかかる場所を調整します。しかし、骨や軟骨がしっかりしていないと、うまくいきません。
骨切り術は長期に入院しなくてはいけないので、早期社会復帰を望まれる場合には不向きです。
薬物療法などの保存治療を続けてきたけれど、痛みが取れない。日常の生活動作が不便で仕事も出来ない。子育てや孫の世話ができない。活動範囲が狭まった。この様な制限が生じている患者さんには、年齢は関係なく人工股関節置換術を勧めすることがあります。


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