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専門医インタビュー

経験豊富な習熟した医師の手で手術を!まだ歩けるうちに治療する

この記事の専門医

東京

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東京大学医学部医学科卒。同大附属病院研修医から、都立墨東病院、都立駒込病院、静岡県立こども病院整形外科医長、 帝京大学医学部整形外科教授などを経て、2020年現職に。日本整形外科学会 代議員、日本整形外科学会認定 整形外科専門医、 日本股関節学会 評議員、日本人工関節学会 評議員、日本人工関節学会認定医

この記事の目次

感染症にはご用心

手術までの体調を整えることは大事ですが、急に「痩せなくちゃ!」と減量する必要はないですよ。むしろ貧血にならないように、栄養があるものをきちんと食べてください。体重が少しくらい増えてもかまいませんから。なるべく輸血しないで済むように、念のため自己血を取っておきますが、極端な貧血だとそれもできません。 感染症には用心してください。血液を介して、菌が手術したところに飛んでしまうと大変です。虫歯や、爪の周りがうんだとか、股関節とは離れた場所でも炎症があれば手術は延期します。

手術後はどんな経過をたどりますか?

一般的に入院は17 日間、1週間もたてば一本杖で歩けるようになります。階段の上り下りなど日常生活ができるようになるまで、入院中にトレーニングをします。退院してから通院しなくてもいい状態まで回復するのが目標。自宅が畳敷きで寝起きをしている人は、それができるように、一人ひとりのライフスタイルに合わせて、日常生活の動きがスムーズにできるように練習します。 手術は医師が行います。でも、歩くのは患者さん自身です。買い物に行きたい、旅行に行きたいなどの希望がある人は、頑張って歩く訓練をするようになります。意欲があれば回復は早いのです。目標がある人ほど早く思うように動けるようになるし、私たちもアドバイスしやすいのです。

手術直後に転ばないように注意

手術直後、3ヶ月くらいまでは、和式トイレは避けてください。また靴下を履くときは、事前の注意点を守るよう気を付けて下さい。一般的には、深く膝を曲げてひねるような動きはしないほうがいいのですが、私の患者さんの中でその動きをして不具合が起きた経験はありません。それよりも手術直後に、自転車に乗って転倒してしまった人がいますから、転ばないように、くれぐれも注意してください。いずれにしても1年もたてば普通の生活ができます。人工股関節にしたことなど忘れてしまうくらいになる人がほとんどです。股関節のことは忘れて生活するのが理想です。 ただ、いくら快調でも定期的に検診を受けることは忘れないでください。年に一回だけ、手術をした医者のことを思い出してください。「前回の検診の時と状態は変わっていませんね、この調子で…」と、患者さんに話ができるのが私たちもうれしいのです。

患者さんへのメッセージをお願いします

手術をしたらこんなことができる、いいイメージを描こう股関節の具合が悪いのは何が原因で、どんな病気なのか、正しく理解をしてほしいと思います。手術は怖い、絶対に嫌だと不安があるのも分かります。でも、もし痛みのせいで、出来なくなったことがあるのなら、それをあきらめないで、じっくり主治医に相談してください。人工股関節にしたら、ここに行ける、これができるようになると、具体的ないいイメージを描いてほしい。そして、それをかなえるために、およそ3週間の時間を作ってください。自分のためにやってみよう、そうすれば必ずいい結果が見えてきます。 手術が終われば「こんなに楽になるならもっと早く手術すればよかった」と皆さんおっしゃいます。でも私は、今がベストだったのですよと、言っています。


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