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専門医インタビュー

関節の状態に応じて保存療法も手術療法も選択肢はいろいろ

この記事の専門医

松枝 宗則 先生

新潟県

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1993年 金沢大学医学部卒業、同年 医師免許取得。1997年 アメリカミネソタ州 ヘネピンカウンティー メディカルセンター留学。2002年 新潟大学大学院医学博士。2009年より新潟中央病院勤務。認定資格: 日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ・スポーツ医

この記事の目次

疼痛コントロールとは?

術後の痛みを上手くコントロールしてあげるのも、我々の仕事です。モルヒネやステロイド、そのほかいろいろな痛み止めや局所麻酔剤をミックスし、手術中に関節周辺に注射します。多剤カクテル注射といって、人工膝関節置換術を行う際には主流になっております。
手術前も手術後も、痛みを我慢してADL(日常生活動作)が下がってしまうよりは、痛み止めの薬を上手に使って快適に過ごす方がいいと思います。

手術後のリハビリは?

関節の負荷がかからないで筋力が付く水中歩行

関節の負荷がかからないで
筋力が付く水中歩行

手術後は出来るだけ早期からリハビリを開始したほうが、回復が早くなることが分かっています。安静にしている時間が長いほど筋力低下が起きてしまいますから、手術の翌日には立ちあがったり膝を曲げてみます。入院中のリハビリは病院の中を歩いたり、屈伸運動や筋力トレーニングを行います。
杖を使って安定した歩行ができ、日常生活の動きに自信が持てるようになれば退院です。当院では患者さんによって退院できるまでの期間はまちまちで一律ではありません。リハビリの進行具合や、家庭環境などによって自由に退院の日を決めています。退院する頃には今まであった膝の痛みはすっかり消え、自由に動けるようになって喜んでいる人がたくさんいます。
退院後にリハビリのために通院する必要はありません。病院でやっていたリハビリを、こんどは自宅で継続して行えばいいのです。注意するのは「転倒しないように」ということだけ。どんどん歩いて動いて外出する人ばかりです。術後3カ月くらいは少し違和感が残っているという人もいますが、半年もたてば人工膝関節にしたことをすっかり忘れ、その人らしい生活を楽しんでいるようです。
退院して1か月目に受診してもらいますが、リハビリの経過、腫れの具合や曲げ伸ばしの具合が順調かどうかをチェックします。ただ、1年に1度は必ず受診して、レントゲンチェックを受けてください。
手術後の活動は特に制限はありませんが、バレーボールやバスケットボールのように膝に強い衝撃がかかるスポーツはしないほうがいいと思います。趣味でするスポーツであれば大丈夫です。実際にウオーキングや軽いジョギングを続けている人もいます。使わないと筋力が衰えますから、じっとしていないでください。一番いいのは水中歩行、水泳です。関節に負荷がかからないで筋力が付くいい運動ですから。

手術を迷っている方にメッセージをお願いします。

松枝 宗則 先生

人工膝関節置換術は、特別に難しくて侵襲が大きい大手術ではありません。私自身も年間200例ほどの手術をしていますが、合併症はほとんどありませんし90歳以上の方にも行っています。どの方も痛みが取れて、見違えるほど元気に生活されています。
膝痛のために日常生活に不自由を感じている方、痛みさえなくなればもっと歩けるのに、旅行にも行きたいしいろいろなところに出かけていろいろな活動をしたいと思っている人は、ぜひ専門医に相談してください。




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