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専門医インタビュー

膝や股関節の痛み原因は様々 一人で悩まず専門医に相談を!!!

この記事の専門医

濱田 貴広 先生
  • 濱田 貴広 先生
  • 公立学校共済組合 九州中央病院 関節外科部長
  • 092-541-4936

福岡県

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専門:膝関節外科、関節鏡手術、関節外科、手の外科、外反母趾
資格:日本専門医機構整形外科専門医、日本整形外科学会スポーツ医・リウマチ医

この記事の目次

術中・術後の痛みへの対策はありますか?

手術の痛みに対して不安や恐れを感じる方も少なくないと思われます。患者さんに安心して手術を受けていただけるよう、しっかりとした疼痛管理(痛みを極力低減するための処置)を行っています。
膝、股関節いずれの手術でも『先取り鎮痛』という考え方で、術前(当日の朝)から鎮痛剤を飲んでいただいて痛み止めの血中濃度を上げておき、術中だけでなく術後にまでそれを維持させるというものです。
加えて、『カクテル注射』という方法も用います。これは、痛み止めを数種混合した薬剤を手術終了間際に関節の周囲に浸透させ、術後の痛みを和らげるというものです。
これらの疼痛管理により、術後入院中の患者さんが看護師を呼んで「痛み止めをください」と訴えられるような場面が本当に少なくなり、ほとんどの患者さんがストレスを感じることなく円滑にリハビリを開始することができるようになりました。

入院中や退院後の生活について教えてください。

当院では、手術後の入院期間は約3週間を目安にしています。早ければ2週間でご自宅に戻ることができる患者さんもいらっしゃいます。手術の翌日から離床して少しずつ動いていただくようになり、入院中は毎日リハビリを行っていただきます。
退院してからは、無理な動きをしないよう注意さえすれは、特に支障なく日常生活を送ることができます。旅行などの遠出も可能です。
股関節の場合は、手術に前外側アプローチを導入して以来、術後の動作の制限も緩和されました。従来の人工股関節置換後は制限されていた正座やしゃがみ込み動作なども可能になっています。
近年は、高齢の方でも日々運動をする方が多くなっていますが、人工膝・股関節置換術後もウォーキングやハイキング、ゴルフ、ゲートボールといったスポーツなら楽しむことができます。
ただ、走ることが基本であるジョギングは、どうしても人工関節に負担がかかるものなので禁止しています。
日常生活でもスポーツをする時でも、気を付けなければいけないのは転倒のような激しい衝撃です。人工関節の緩みや破損リスクは昔よりは改善されていますが、人工関節自体に問題はなくても、その周囲で骨折が起こってしまうと非常に難しい治療となり、患者さんにも負担がかかります。
人工関節は、長期間維持させる・長持ちさせるという意識を持つことが大切ですから、痛みのない快適な生活を満喫しながらも、無理はしないよう心がけましょう。

最後に患者さんへのメッセージをお願いします。

濱田 貴広 先生

冒頭でも述べたように、膝の痛みの原因が実は腰や股関節にあったというようなケースも少なくないため、どこかに痛みや違和感を覚えたら、まずは積極的に専門医を訪ね正確に診断頂くことをお勧めします。
変形性関節性の治療はいきなり手術へ進むわけではなく、あくまでも保存療法をしっかり行うことが基本です。「まだ若いから温存したい」という方もいれば、「もう歳(とし)だから手術までする必要はない」という方もいらっしゃいますが、年齢だけでなく、その方の生活環境や行動範囲なども考慮してその方にあった方法を検討すべきと考えます。
患者さんが痛みを取り除き、活動の場を広げ、充実した生活を送れるようになることが大きな喜びであり、それまでの最善の道を探していくことが私たちの使命ととらえています。
先日、当院で人工膝関節置換術を受けた女性から「ニューヨークとパリに行ってきました!」という嬉しいご報告をいただき、これからも患者さんのお声を励みに、その笑顔のために力を尽くしていきたいと思います。
気になる症状や痛みがある方は、お気軽に専門医にご相談ください。


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