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専門医インタビュー

つらい膝の痛み 自己流ではなく、専門医に相談してみませんか

この記事の専門医

舟橋 康治 先生
  • 舟橋 康治 先生
  • 医療法人社団豊田会 刈谷豊田総合病院 リウマチ科部長
  • 0566-21-2450

愛知県

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名古屋大学卒
主な専門領域:リウマチ、股関節、膝関節、外傷外科
資格:日本整形外科学会専門医、運動器リハビリテーション医、日本リウマチ学会指導医、専門医、評議員

この記事の目次

骨切り術とはどういう手術ですか?

骨切り術

骨切り術

手術イコール、人工膝関節置換術というわけではありません。痛みがあって困っているけれど、関節の状態はそれほど悪くなく、外側の軟骨や靭帯なども元気な、比較的若い人に行う手術が骨切り術です。
関節の下の骨に切り目を入れ荷重のバランスを矯正します。分かりやすくいうと、それまでO脚であった脚を中間からX脚に強制してあげる方法です。外側に体重がかかるように調整することで、膝の内側の痛みを減らすことができます。
また、関節や靭帯などの組織は温存されるので、痛くならない範囲で好きなだけ使え、膝の曲りも高く維持されます。
ただし切った骨が完全に引っ付くまでに時間がかかるので、高齢者にはあまり勧められないと考えています。

単顆(部分)置換術とはどういう方法ですか?

人工膝関節単顆(部分)置換術と全置換術後のレントゲン

人工膝関節単顆(部分)置換術と
全置換術後のレントゲン

傷んでいる膝関節上下の骨の表面を全部削って、代わりに金属と軟骨の代わりになるポリエチレンに置き換えるのが人工膝関節全置換術です。手術時間はおよそ2時間程度で、全身麻酔に耐えられる内臓機能がしっかりした人であれば年齢に関係なく行われています。
最近注目されてきたのが、傷んでいる内側の部分だけを人工のものに置き換える、人工膝関節単顆(部分)置換術です。内側の軟骨だけが擦り減っているだけで、前・後十字靭帯など他の部分は悪くない場合は、全部を切り取る必要はないというわけです。全置換に比べるとその後の膝の可動域も広いのが特徴です。
人工膝関節単顆(部分)置換術は、骨切り術の適応となる人とほぼ同じ人が対象になるのですが、活動性が高い人には耐用年数に影響が出るので、運動制限が必要となります。しかし、リハビリ期間が長くなる骨切り術に比べて、早期に復帰できるのがメリットです。70歳以上で、それほど変形が進んでいない人に適している方法だと思っています。
このように、手術には骨切り術や全置換術、そして単顆(部分)置換術とさまざまな種類がありますから、年齢や関節の状態、早く生活に復帰したいなど、患者さんの状態に応じて提案しています。

筋肉をできるだけ切らない方法があるのですか?

簡易的ナビゲーションシステムのイメージ

簡易的ナビゲーションシステム
のイメージ

人工膝関節置換術は、MIS(最小侵襲手術)で行うのが主流になっています。でも、基本的には皮膚の切開が小さければ小さいほどいいという認識ではなく、中の筋肉をどれだけ守るかということです。そのため筋肉を切らずに進入していく手術方法を当院では選択しています。施術する側からいえば、筋肉を守りながら手術をするので若干手術時間がかかりますが、最終的に筋肉自体へのダメージが少ないので早く動けるようになります。
もうひとつのこだわりは、いかに正確に骨を切って正しい位置に人工関節を設置するかです。私は、簡易ナビゲーションを使って、より正確な骨の切り方になるように心がけています。さらに、出来る限り膝を深く曲げることができるようにしてあげたいので、安定した設置になるように、また曲げた時と伸ばしたときのバランスにも気をつけて手術をしています。


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