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専門医インタビュー

人工関節は虫歯の治療のようなもの。痛みから開放されて、豊かな生活を送ってほしい

この記事の専門医

北濱 純 先生

神奈川

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資格:日本整形外科学会整形外科専門医、日本体育協会スポーツドクター

この記事の目次

人工膝関節置換術を受ける際の流れを教えてください

まず、診察とレントゲン撮影で膝関節の状態をチェックし、人工膝関節置換術の適応かどうかを確認します。患者さんが人工膝関節を希望される場合は、MRIやCTなどで膝関節の精密な検査を行い、さらに、血液と尿検査、心電図などで全身のチェックも行い、麻酔や手術が可能な健康状態なのかどうかを確認します。糖尿病や心臓病などの持病がある場合は、内科も受診していただき、安全に手術が迎えられるようマネジメントします。

手術後のリハビリの内容や生活について教えてください

リハビリテーション室

リハビリテーション室

手術直後の痛みのコントロールがうまくいくと、リハビリも早期に始めることができます。そのため、当院では、手術中は、様々な薬剤を組み合わせるマルチモーダルペインコントロールに持続硬膜外麻酔を併用し、術後、麻酔がさめた後も痛みを感じにくいよう工夫しています。また、硬膜外麻酔にPCA システムを用いて、術後、患者さん自身で疼痛コントロールができるようにしています。痛みのコントロールがかなりできるようになっていることで、両膝を同時に人工膝関節に置換するという手術も可能になっています。
さらに、当院ではリハビリ中もPCA システムを用いています。痛みをコントロールしながらのリハビリが、術後、早期からできることで、膝関節の可動域の獲得に役立っていると考えています。
リハビリについては、当院の場合は翌日から離床してもらい、自宅に帰ったとき大抵のことはこなせるようにしてから退院評価をするので、部分置換術で約2週間、全置換術で3週間くらいで退院されます。その後は通院で定期的に診察を受けていただき、自動車と同様に半年から1年の間隔で定期検診を心がけていただきます。

最後に、膝の痛みに悩んでいる方にメッセージをお願いいたします

北濱 純 先生

私は、長く生きることと同様に、人生をどう生きるかも重要なことだと思います。私の患者さんの中には、両膝同時に人工膝関節置換術を行った後、ソシアルダンスの先生に復帰して、ご自分が踊っている姿をビデオで見せてくれた方がいます。
膝の痛みを抱え、生活に困っているのであれば、とくに70代以上の方は人工関節を治療の選択肢に含めていただきたい。もちろん、人工関節だけが治療のすべてではありません。膝の治療は、保存療法から手術療法まで選択肢がいろいろあります。人工関節の手術にどうしても迷いのある方は、病院の待合室などで手術を受けた方に話を聞いてみるのもいいと思います。不安を一つでも多く解消して、膝の痛みから解放されて歩くことのできる豊かな人生を一人でも多くの方に送っていただきたいと願っています。




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