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専門医インタビュー

股関節や膝の痛みの原因は様々 専門医に早目に相談し自分の状態を正しく認識しましょう

この記事の専門医

富沢 一生 先生
  • 富沢 一生 先生
  • 獨協医科大学 整形外科学 講師 医局長、リウマチセンター 副センター長
    医療法人康積会 柴病院 整形外科
  • 0282-86-1111

栃木県

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2001年 獨協医科大学卒
専門:股関節外科、人工関節外科
資格:日本整形外科学会専門医、日本体育協会スポーツドクター、日本整形外科学会リウマチ医、日本人工関節学会評議員、東日本整形災害外科学会評議員

この記事の目次

入院中のリハビリや退院の目安を教えてください

手術翌日には立ち上がりの練習を始めます。長い時間横にならないのは、血栓症などの合併症を防ぐ意味もあります。手術後1週間以内に階段の上り下りの練習を始めます。平地の歩行も含めて、自宅での日常生活が自信をもってできるようになったら退院です。平均2週間ほどの入院期間で、ほとんどの人は杖も突かずに歩いて退院していきます。出来れば筋力が残っているうちに手術をしたほうが、回復が早いのですが、手術前に筋力がすっかり弱っていたり、歩けない時間が長かった人ほど、手術後に筋力を取り戻すのに苦労をするでしょう。

日常生活でしてはいけない動作はありますか?

退院直後にはあまり重いものは持たない、高いところから飛び降りたりしないよう注意してください。膝の場合は、やっていけない動きはありません。ただ、膝の前側を切るので、始めのうちは膝をつかないように注意しています。できれば、洋式の生活がいいですね。手術後一カ月くらいは、傷口も安定しないし、腫れたりすることもありますから、腫れた時は冷やしてください。
退院して1カ月後に、受診してもらい、手術の傷や動きなどをチェックします。膝を曲げる運動をきちんと続けていないと、膝が硬くなってしまいます。
個人差はありますが、半年もたてば、人工股関節にしたことをほとんど忘れてしまうくらい調子がいい人もいますし、少し違和感が残る人もいます。激しい運動以外なら、趣味で行う程度のスポーツは、構いません。山登り、ハイキングなどはむしろ勧めているくらいで、多少起伏のある所で歩くことは筋肉のためにもいいことです。
人工関節は一生ものといわれるくらい、性能が良くなっています。しかし軟骨の代わりのポリエチレンがすり減ってしまったり、感染や人工関節が緩んでくる可能性もゼロではないので、年に1回程度の受診を忘れないで下さい。もちろん、普段と違うこと、違和感があったらすぐに受診して下さい。

股関節や膝の痛みに悩んでいる方へメッセージをお願い致します

富沢 一生 先生

「アクティブになった」「行きたいところに行けるようになった」「O脚が真っすぐになって見た目にも満足」などと、患者さんの喜びの声はたくさんあります。今まで長いスカートしか履いてなかった人が、手術後に生き生きとした表情で細いパンツ姿で外来に現れるのです。人工関節置換術を行えば、痛みが取れるだけでなく、動きが良くなりそれに加えて見た目もきれいになられる人がたくさんいます。股関節の手術後は、姿勢が良くなる人もいます。
歳だからとあきらめる必要はありません。痛みを我慢しないで、まず痛みの原因を正しく調べてもらうこと。手術にもメリット・デメリットがあるので、デメリットがメリットを上回るのであれば手術をする必要はないと思います。しかし手術をした場合のメリットが大きいと、痛みのために色々できなかったことができるようになり人生を変えられるかもしれません。まずは専門医に相談し、痛みの原因を正しく診断してもらい、豊かな人生を送りましょう。


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