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専門医インタビュー

股関節の痛みは早期受診・治療で健康寿命の延伸を目指しましょう!

この記事の専門医

生澤 義輔 先生

茨城県

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資格:日本整形外科学会専門医、日本骨粗鬆症学会認定医、日本整形外科学会スポーツ医、日本整形外科学会リウマチ医、日本リハビリテーション医学会認定臨床医、アルビレックス新潟チームドクター、医学博士
島田 勇人 先生

茨城県

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資格:日本整形外科学会専門医

この記事の目次

手術後のリハビリプログラムについて教えてください。

ベッドに座る、車椅子に移るリハビリのイラスト

島田 通常は手術の翌日から、ベッドに座る、車椅子に移るなど簡単なリハビリを始めます。3~4日目には歩行訓練に入り、平行棒、歩行器、杖と徐々にレベルを上げていき、やがて杖なしのフリーハンドで歩けるようにします。最後に段差に挑戦してもらい、階段の上り下りができるようになれば退院となるケースが多いです。

生澤 昔は「術後は安静に」と言われることが多かったので、高齢の方ではそうした思い込みがあるかもしれません。ただ、足を動かさないと血の巡りが悪くなり、血栓症のリスクが高まります。術前にも「手術後は寝ていられないので、翌日から頑張って動いていきましょう」と説明しています。

自宅に戻ってからの日常生活で気をつけることはありますか?

ウォーキングの写真

島田 入院中のリハビリは、退院後の生活動作を想定したものになっていますので、自宅に帰ってからはあまり気にせず普通に暮らしていただければいいと思います。
最初の1カ月間は無理をするのを控えながら、日常生活を送ることに専念してください。その後の外来検診で、レントゲン画像に問題がなければウォーキングや軽いジョギングなどから運動もしていいでしょう。

生澤 様子を見ながら徐々にスポーツなども挑戦してみて欲しいと思います。ジョギングやゴルフ、軽いテニスなど、一般的に高齢者の方が楽しんでいるものであれば特に制限はありません。反対に、家でじっとしては筋力が戻らず骨も弱くなってしまい、結果的に骨折や人工股関節のゆるみにつながる可能性もあります。動くことで骨も強くなりますので、手術前より活動量を増やしていくことが大切です。

手術後の患者さんの様子はいかがですか?

生澤 人工股関節にすると今までの痛みが取れて非常に楽になるため、「もっと早くに受ければよかった」とおっしゃる方がほとんどです。元通りの正常な歩きかたができるようになり、手術前の状態を知っている人からは「前と全然違うね」と言われ、初めて会う方からは「本当に手術をしたの?」と聞かれることもあるそうです。患者さんの満足度は総じて高いと言えます。

島田 痛みが取れるのは大きいようで、先日は術後早々にバーベルを持ったスクワットなど趣味の筋トレを再開してしまった患者さんもいました。重い負荷は人工股関節の摩耗やゆるみにつながりかねないので、筋トレはほどほどにしましょうとアドバイスしましたが、それだけ人工股関節の存在を感じないということなのだと思います。「手術してよかった」と言われるのは、やはり手術する側としても嬉しいです。

股関節の痛みに悩みを抱える方へのアドバイスをお願いします。

島田 勇人 先生

島田 受診自体を先延ばしにしてしまう方も少なくありませんが、専門医に相談し、何が原因かを調べることは非常に大切です。早く治療を開始するほど手術なしに痛みを解消できる可能性も高まります。仮に状態が良くなくても、患者さんの意思に反してすぐに手術ということには決してなりません。まずは勇気を持って、整形外科を訪ねることをお勧めします。

生澤 義輔 先生

生澤 変形性関節症は確かに命に関わる病気ではないのですが、痛みが強くて歩けなくなると足だけではない全身の健康状態に関わってきます。
痛みに悩んでいると気分が沈み、生活の幅も狭くなる一方です。たかが股関節と思わず、きちんと治療に向き合うことで明るい気持ちを取り戻し、健康寿命の延伸につなげてほしいと思います。


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