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専門医インタビュー

膝と股関節の痛みは早めの受診を!適切な治療を受け自分らしく生きましょう

この記事の専門医

増田 義久 先生

愛媛県

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日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学界、日本人工関節学会、日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会リウマチ医、医学博士
専門領域:整形外科(関節外科)

この記事の目次

リハビリテーションについて教えてください

リハビリテーション室

リハビリテーション室

膝関節でも股関節でも、一般的には手術の翌日からリハビリが始まります。立つ、座るといった訓練から開始し、数日後には平行棒を使って歩く訓練をしていきます。退院する頃には、膝関節であれば120度くらい曲がる、杖をついて平地を歩ける、手すりを使って階段を上り下りできるくらいの状態になっていることが多いです。股関節の場合も歩いたり階段の昇り降りについては同様で、日常生活動作が自信を持ってできるようになるまでリハビリを進めます。
人工関節の手術後の歩きやすさや動かしやすさについて、感じ方は患者さんによってさまざまです。股関節ではスムーズに動かせて楽と感じるケースが多いのですが、膝関節は従来と両膝のバランスが変わったり筋力が落ちたりしていることもあって違和感を持つ方もいらっしゃいます。少し時間はかかりますが、半年ほど経てば楽になっていることがほとんどです。

術後の日常生活において、気をつけることや心がけるべきとは何ですか?

ウォーキング

人間はだんだんと年をとっていきますので、年に1回は外来に来ていただいて、診察とレントゲン検査によるチェックを受けてくださいとお話ししています。年齢とともに骨盤の傾斜が後ろに傾くなど体に変化が起こるため、とってはいけない体のポジションが後で出てくることがあるからです。
近年は中高年の健康意識が高まり、スポーツをする方も多いです。患者さんには行動制限は特に設けず、好きなことをやってくださいとお話をしています。ただしコンタクトスポーツなど強い衝撃がかかる運動はお勧めできません。ウォーキングや水泳など無理のない程度で楽しむようにしましょう。また転倒したり、骨粗しょう症が進むと骨折しやすくなり、それが人工関節のゆるみにつながることもあります。気をつけて生活をすることに加え、食生活や運動の見直しも心掛けてみてください。患者さんからは、「早く手術を受けたらよかった」「今まで旅行を控えていたけど、友人と旅行に行くことができた。まったく大丈夫だった」「好きなことができるようになった」といった声をいただいています。

現在、膝関節や股関節の痛みに悩んでいる方へ、先生から一言お願いします。

増田 義久 先生

最近は、人生100年時代といわれ、寿命に加えて健康寿命が重視される時代になっています。「自分らしい生き方」で長く生きる。そのためには、長く健康でいることが大切です。関節だけではなく、まずは自分の健康状態に興味を持っていただきたいと思います。体重を増やさない、骨粗しょう症になりにくいよう食生活に気をつける、体に不調があれば早めに医療機関を受診するといったことを心掛けましょう。
人工関節置換術は全身状態が良ければ年齢に制限はありません。「もう年だから」と諦めないでください。膝関節や股関節の痛みがとれて歩けるようになったら、何をしたいですか?自分らしく人生を楽しむために、まずは一歩踏み出してみましょう。


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