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専門医インタビュー

関節の痛み放置しないで!適切な治療を受けてはつらつとした生活を

この記事の専門医

浅海浩二 先生

香川県

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日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会スポーツ認定医、日本整形外科学会リウマチ医、日本整形外科学会脊椎脊髄病医、日本整形外科学会運動器リハビリテーション認定医、リハビリテーション医学会専門医、リハビリテーション医学会認定臨床医、日本リウマチ学会専門医
専門領域:人工関節(股関節・膝関節)

この記事の目次

人工股関節置換術について詳しく教えてください。

人工股関節の一例

人工股関節の一例

人工股関節置換術は、すり減って変形した股関節の軟骨を削り取って人工股関節に置き換える手術です。人工股関節には60~70年の歴史があり、その素材や形状、施術の技術は飛躍的に進歩しています。
例えばナビゲーションシステムという精密機器は、手術中に人工股関節の正しい設置位置をモニターで確認することができます。これにより正しい設置位置を評価したうえで手術を行うことができます。人工股関節を正しい位置に設置することは術後の人工股関節の動きや安定性につながり、不適切なサイズや位置だと術後の脱臼や摩耗につながるケースもあります。このシステムの導入によって、従来の手術で起こりがちだった設置角度のばらつきが解決しつつあります。

MIS(最小侵襲手術)とは何ですか?

従来法とMIS の皮膚切開の大きさのイメージ

従来法とMISの皮膚切開の大きさの
イメージ

皮膚の傷を小さく筋肉を切らずに人工股関節を設置する手術方法です。より安全で確実に、なおかつ筋肉へのダメージを少なくして行うことができる手術で、回復が早いため早期に杖をついて歩くこともできます。
25年ほど前の手術は25cmくらい切開し、筋肉も大きく切るため、そのダメージは大きいものでした。術後約2週間はベッドでの生活で、2カ月程度は入院しなければならないほどだったのです。MISになって傷の大きさは半分ほどになり、筋肉のダメージも少ないため多くの患者さんは手術の翌日から補助具を使ってリハビリを開始します。そのため早期のリハビリにより入院期間も以前と比べて短くなりました。
患者さんの中には仕事をまだまだ頑張りたい方、育児をする方や、趣味やスポーツを楽しみたい方など活動性の高い方も多いです。回復の早いMISはそのような方にとってもメリットのある手術方法だと感じています。

手術の痛みと、合併症について教えてください

手術の際には、麻酔の専門医が担当して痛みをコントロールします。手術は全身麻酔をして行うほか、術中にも多様や薬剤を併用した局所注射を患部周辺に注射して疼痛対策を行います。さらに、術後には痛み止めの注射などで麻酔が覚めた後も痛みを感じない状態を保ちます。
合併症については血栓症(エコノミークラス症候群)があり、体を動かさずに寝ているためにうっ血して固まり、肺梗塞や脳梗塞、心筋梗塞などの重篤な状態に陥る恐れもあります。これらの対策はできるだけ早くリハビリを開始することです。そのために筋肉を傷めず回復も早いMISを導入したり、痛みをコントロールするなどして早く動ける状態にしてあげることが大切になってきます。また、免疫力が弱い場合は感染症を起こす場合もありますが、他科と連携して予防や治療を進めます。


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