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専門医インタビュー

変形性股関節症は進行性の病気です。自分の状態を把握して納得の治療選択を

この記事の専門医

本田 雅人 先生

福島県

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資格:日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会脊椎脊髄病医、日本家庭医療学専門診療科指導医
所属学会:日本整形外科学会、日本家庭医療学会
専門:脊椎・股関節・一般
山田 登 先生

福島県

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資格:日本整形外科学会整形外科専門医、日本リウマチ学会リウマチ専門医
所属学会:日本整形外科学会、日本リウマチ学会、日本人工関節学会、日本股関節学会、日本関節病学会
専門:膝・股関節・関節リウマチ

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この記事の目次

人工股関節置換術を受けるときの入院から退院までの流れを教えてください

山田 一般的に、全身状態に問題がなければ、手術前に自己血を採血し、手術中に輸血が必要になったときに備えます。手術後は、あまり痛みを感じないよう疼痛コントロールを行います。歩く練習からリハビリを始め、さらに、風呂の入り方など自宅での生活スタイルに合わせた訓練も行います。杖一本で歩けることや、階段の昇り降りができるようになれば退院となるケースが多いです。

本田 高齢のご夫婦だけで生活している場合も多いので、リハビリに時間がかかる人は違う施設に移りリハビリを継続する人もいます。ある程度自立して生活する自信がつくまでの期間、手術からリハビリまで同じスタッフのもとで復帰を目指せる環境を選ぶのも、病院選びのコツだと思います。

手術後、気をつけたほうがよいことはありますか?

山田 股関節を深く曲げる動作をし続けると、人工股関節の軟骨の代わりに設置しているポリエチレンに負担がかかり、それによって人工股関節が破損するリスクが高まります。しかし人工股関節の性能は向上しており、20年使い続けている人が8割にのぼるというデータもあります。非常に耐久性が伸びていますが、それも使い方次第です。酷使するのはよくありません。

本田 調子が悪くなったときに、すぐに診てもらえる、通いやすい医療機関を選ぶことも大切です。術前の状況がわからないと、術後の不具合を診ることはかなり難しいのです。人工股関節は入れたら終わりではなく、定期検診によって状態を確認し、万が一の不具合を早期発見・早期治療することも大切です。

最後に、股関節痛に悩んでいる患者さんにメッセージをお願いします

本田 雅人 先生

本田 まずは、的確な診断を受けることが必要です。変形性股関節症は進行する病気のため、自分の股関節の状態がいまどのステージにあるのかということを患者さん自身で把握していただきたい。その上で、リハビリなどできる限りのことをやってみる。それでも痛くてつらいのであれば人工股関節の手術があります。手術が必要になるのは、子育てや仕事が一段落して、これから自分の人生を楽しもうという年代の人がとても多いです。今までがんばってきたのですから、手術を受けることは人生の幅が広がる選択肢の1つだと思います。人工股関節置換術の治療成績は安定しているので、怖がらずに相談してみてください。

山田 登 先生

山田 左右とも股関節を開くことができず、涙を流すほど痛みが辛かった患者さんが、左右ともに人工股関節に置換したところ、痛むことなく歩けるようになりました。手術を受けてから10年が経ちますが、現在も元気に歩いています。人工股関節の手術を受けることによって痛みなどで制限されていた日常生活を改善することができます。ただ、その人によって年齢、仕事、全身状態、生活スタイルが異なりますので、まずは、手術療法も選択肢に含まれる近隣の整形外科を受診して、自分の状態を把握し、現時点でどの方法が適切な治療か相談してみてください。


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