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専門医インタビュー

〝当たり前の暮らし〟の喜びを、もう一度 ~関節リウマチの治療~

この記事の専門医

広島県

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大阪大学医学部卒。米国テキサス大学サウスウエスタン・メディカル・センターで関節リウマチの滑膜及び骨髄中の間葉系細胞とB細胞について研究。
行岡病院副院長、市立池田病院整形外科部長などを経て、平成24年に浜脇整形外科病院副院長に就任

この記事の目次

手術にはどんなものがありますか。また、人工関節置換術について詳しく教えて下さい。

部位や症状の進行によって異なります。手指の場合は手関節の形成術、滑膜の切除などがあります。膝・股・肘・肩の関節は人工関節置換術を行うことが多いです。
人工関節置換術とは、軟骨や骨の破壊が進み変形した関節を削り、人工関節に置き替えるものです。かつては、人工関節は15年程度で軟骨の代わりをするポリエチレンの部分が磨耗してしまい、入れ替える手術が必要でした。現在は耐久性が向上しており、例えば膝関節の場合、使用状況にもよりますが30年はもつと考えられています。

手術の流れを教えてください。

まず、手術をする前に、患者さんがもともと持っている疾患を考慮して内科的な診断を行い、必要があれば治療も行います。入院は多くの場合、手術の前日から。入院期間はリハビリも含めて4週間程度です。手術時間は症状の進行状況や手術の方法によりますが、膝が60~90分程度、股関節は60~70分程度、肘は120分、肩は40分程度です。
リハビリは手術の翌日から始めます。筋力を落とさないため、またむくみを作らないためにも、疼(とう)痛のない範囲で始めます。歩行や、関節の曲げ伸ばしの練習、日常動作の訓練などを行います。

小さい傷で済む手術があると聞きますが、どんなものですか?

従来の手術方法による傷口(左)とMISによる手術痕(右)

筋肉を極力切らず、分けるように皮膚を開き、そこから骨を削って人工関節を設置する「MIS(最小侵襲手術)」という手術方法です。皮膚を切る部分も少なくて済むため、傷が小さくなります。「傷は少しでも小さいほういい」という患者さんは多く、喜ばれています。見た目だけではなく、筋肉が傷つかないため、術後の回復が早いのもメリットです。縫合するのもほとんど皮膚だけなので痛みも少なく、リハビリもスムーズ。術前と同じ生活に、早く戻れます。早い人は10日から2週間程度で退院できるため、働いている人や長期間家を留守にできない人も安心して手術を受けることができます。
当院では、術後、患者さんにどのような回復が必要であるかを見極め、患者さんに適切な治療法を提案しています。関節の破壊具合によっては、従来の手術法が適切なケースもあります。ご自身の症状でどのような治療法が適用となるかについては、お近くの専門医にご相談いただくと良いでしょう。


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