関節治療の専門医に聞いてみました!

第268回 ひざの痛みいろいろな選択肢から
適切な治療法を
選びましょう!

ドクター
プロフィール
認定資格:日本整形外科学会認定専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本整形外科学会認定スポーツ医
専門:膝関節外科
エリア 神奈川県タグ
この記事の印刷用PDF
川﨑 俊樹 先生

中高年で膝の痛みに悩んでいる方が増えています。「症状は似ていても患者さんのライフスタイルによって治療法は変わってきます。まずは痛みの原因を知ることから始めましょう」とおっしゃる国際親善総合病院の川﨑俊樹先生に、膝の痛みの原因から治療法まで詳しく教えていただきました。

膝の痛みの主な原因は何ですか?

正常/変形性膝関節症のイラスト

膝関節には大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間でクッションの役割を果たす軟骨があります。その軟骨が加齢に伴ってすり減り、変形することで痛みを生じる場合があります。このような症状を持つ方は、中高年になるほど増えてきます。
では、軟骨のすり減りや変形が起こるとなぜ膝が痛むのかというと、いくつか理由があります。一つは、骨がむき出しになり、痛みを感じやすい部位が直接当たるようになってしまうため。もう一つは、変形が進むと、滑膜炎といって関節を包んでいる関節包の内側にある滑膜という組織に炎症が起こるためです。さらに、軟骨がない状態で骨同士がぶつかり合うことで骨挫傷(骨の内部の損傷)が起こり、それによって痛みが出ることもあります。このように、中高年の膝の痛みの多くは、軟骨のすり減りや骨の変形をきっかけに、いくつかの原因で生じるわけです。

変形性膝関節症とはどのような疾患ですか?

変形性膝関節症のレントゲン

変形性膝関節症の
レントゲン

一般的に変形性膝関節症とは、軟骨がすり減り骨が変形して痛みを生じる状態のことを呼んでいます。特別な原因がなくても加齢により変形が進んでいき、中高年になって痛みを感じる方が多いです。また、例えば体重が非常に重い方の場合、膝にかかる負担が大きくなるため軟骨がすり減り、痛みを生じることがあります。さらに、過去に激しいスポーツなどで膝を使いすぎてしまい、靭帯や半月板といった軟部組織を損傷することで変形が進行するケースもあります。
患者さんとして重視すべきは、診断名よりも膝の痛みが何によって起きているのか、その原因を調べて進行を予防したり、適切な治療を進めていくことにあると思います。

整形外科ではどのような治療が受けられますか?

プールでの運動

プールでの運動

一般的には手術をしない保存的治療から始まります。そこでまず大切なのが、いま感じている痛みは「短期間で生じた急激な痛み」なのか、それとも「長く続いている慢性的な痛み」なのか、ということです。急激な痛みに対しては、消炎鎮痛薬の効果が期待できることから飲み薬や湿布薬による薬物療法が行われます。一方、痛みが慢性的に続いている場合は、副作用の少ない鎮痛薬を使用したり、ヒアルロン酸注射で長期的に改善を目指します。
膝への負担を軽減するために太りすぎない、適度に動くといった生活改善も効果的です。ここでお勧めしているのは、ご自身の性格に合わせて運動方法を選ぶこと。例えば、仲間と何かをするのが好きな方であれば、ジムやプールなどで一緒に運動されると良いでしょう。一方、ご自身のペースで進めていきたい方についてはリハビリ外来などで理学療法士の指導を受けながら取り組むのが良いと思います。大切なのは「続けられることを続けていく」という意識です。

O脚なのですが効果的な保存的治療はありますか?

下肢全長のレントゲン

下肢全長のレントゲン

装具療法は、足底板(インソール)やサポーターなどを使う治療法です。特に傷むことの多い膝の内側への負担を軽減させる方法で、O脚である程度変形の認められる患者さんへの効果が期待されます。
そのような患者さんは初診の段階で股関節から足首の関節まで下肢全長のレントゲンを撮ることが重要だと考えています。それは下肢全長のレントゲンを撮ることでO脚かどうかを医師が判断できるからです。そういう意味では、設備の整っている大きな病院に受診すれば下肢全長のレントゲン検査が可能ですので、O脚で痛みがある場合は知っておくと良いでしょう。


記事の一覧へ

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

ページの先頭へ