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専門医インタビュー

ひざの痛みは将来を考えるチャンス 専門医に相談して納得のいく治療を

この記事の専門医

長瀬 寅 先生
  • 長瀬 寅 先生
  • 同愛記念病院 整形外科部長 関節鏡・スポーツセンター長
  • 03-3625-6381

東京都

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専門分野:膝関節・足関節・スポーツ障害
資格:整形外科専門医、医学博士、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本整形外科スポーツ医学会代議員、東京医科歯科大学医学部臨床准教授

この記事の目次

手術後の痛みやリハビリについて教えてください

リハビリ

現在は手術中に行う膝関節内へのカクテル注射など、疼痛(とうつう)を抑える技術が進歩していますので、手術をしてすぐの痛みはそれほど心配することではなくなっています。10年前に片側の人工膝関節置換術を受けて、最近もう片側を同じように手術したところ、10年前に比べて手術後すぐの痛みはあまり感じなかったという方もいらっしゃいます。
手術後の痛みをコントロールすることで、その後のリハビリについても、早い段階で進めることができるようになっています。早期にリハビリを開始できるということは、早期の社会復帰に加えて、手術後の合併症の1つである血栓(けっせん=血のかたまり)が発生するのを予防するという意味でも効果的です。一般的には手術翌日から車椅子を利用してもらい、立つ練習を始め、膝の曲げ伸ばしなどの練習をします。杖一本で歩け、階段の昇り降りができるようになると、家庭に戻ってもある程度は一人で生活できるようになります。そこまでの機能回復に加えて、ご自身に生活ができるという自信がつくまで入院中のリハビリを進めていきます。

生活する上で注意することはありますか?

あまり制限はありませんが、膝に衝撃がかかるスポーツや膝をひねるような動きは避けることをお勧めします。転倒にも注意してください。旅行などで飛行機を利用される際に、金属製のインプラントは空港のセキュリティーゲートで反応します。その場合は、傷口を見せれば通過できる場合もありますし、手術を受けた医療機関であらかじめ人工膝関節が入っていることを証明できる書類をもらって携帯しておいても良いでしょう。また、どんなに状態が良くても手術を受けた医療機関で定期的に検査を受けるよう心掛けてください。人工膝関節は素材やデザインの向上により今では20~30年くらい持つといわれていますが、膝の使いかたに気を付けて、より長く人工膝関節と付き合っていきましょう。

空港のセキュリティーゲートとIDカード(見本)

最後に膝の痛みに悩んでいる方にメッセージをお願いいたします

長瀬 寅 先生

治療の選択肢が広がっている現代だからこそ、整形外科では患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療を受けられる時代になっています。ひと口に膝の痛みといっても、原因はさまざまです。今は、インターネットなどでいろんな情報を得ることができます。しかし、断片的な情報をいくらたくさん得ても、ご自身の状態がわからなければ意味がありません。
膝の痛みにお困りの方は、ぜひ一度整形外科に受診されることをお勧めします。痛みの原因を、そしてご自身の状態を知って納得のいく治療法を探していきましょう。


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