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専門医インタビュー

股関節の痛み 治療は大きく進化。我慢せずにご自身に合った治療を

この記事の専門医

小谷野 岳 先生

埼玉県

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専門分野:人工股関節、人工膝関節、下肢外傷
資格:日本整形外科学会専門医、日本人工関節学会認定医、日本リハビリテーション医学会認定専門医、身体障害者指定医、難病指定医、臨床研修指導医

この記事の目次

リハビリはどのように進めますか?

歩行器

患者さんの術後状態がよければ手術をして半日後に一度ご自身で立ってもらい、足に力が入ることを確認し、翌日から本格的にリハビリをスタートします。まずは立つ練習を行い、その後平行棒を使った歩行、歩行器による歩行、杖というようにステップアップしていきます。杖での歩行がある程度安定してきたら、今度は階段の練習をします。杖一本で3~5分間ぐらい歩けるようになり、手すりと杖を使って2歩で一段の階段の昇り降りができるようになれば退院の目安と考えます。
リハビリを早く進められるよう、痛みのコントロールにはさまざまな方法がありますが、術前から痛み止めを飲んでいると術後の疼痛が抑えやすくなります。ドレーンも腫れを抑えてリハビリを早く進める一助になります。また、術後の点滴、その後に内服の痛み止めを投与します。痛みの感じかたは個人差があるものの、術後3日~1週間もすると痛みが気にならなくなるという方が多いようです。

退院後、自宅で気をつけることはありますか?

ご自宅に戻ってからも意識しておくべき合併症は、脱臼、感染症、血栓症の3つです。脱臼については、最近用いられている前方系のアプローチでは脱臼の発生率は0.1%以下といわれており、特殊な状況で脚をねじって転ぶというようなことを注意すれば大丈夫でしょう。一方、手術後の細菌感染は、決して多くはないものの一定の確率で確認されています。傷が赤く腫れてこないか、痛みが強くなっていないかなどご自身で注意しておき、気になることがあれば主治医に相談しましょう。虫歯や怪我などを放置しておくと、菌が血液に乗って人工関節まで運ばれる可能性がありますので、早めの治療を心がけてください。血栓症は、脚の血管の中に血の塊ができてしまうもので、術後に脚が腫れる、むくむ、ふくらはぎをつかむと痛いなどの症状が表れることがあります。血の塊がちぎれて飛んで、肺をつまらせてしまったものがいわゆるエコノミークラス症候群です。先ほど申し上げた症状とともに呼吸がしづらい、胸が苦しいなど感じたときには、すぐに主治医に相談してください。ただし血栓症リスクは、術後1~2カ月もするとかなり低下してきます。これら3つを踏まえておけば、それ以外で日常生活の制限は特にありません。運動についても、柔道やラグビーなどの激しいものでなければ自由に動いていただきたいと思います。ゲートボールやゴルフなどは問題ありませんし、ジョギングやサイクリング、水泳に励む方もいます。

股関節の痛みで悩む方に、メッセージをお願いします

小谷野 岳 先生

痛みで悩んでいるのであれば、無理に我慢を重ねず、とにかく一度お近くの整形外科を受診していただきたいと思います。状態を客観的に調べてもらい、一時的なもので大きな問題がなければそれで安心できますし、何らかの問題が見つかれば、原因に合った対策を立てていくことができます。また、もし変形性股関節症の進行により手術が必要になった場合、なるべく自宅から通える範囲の医療機関で受けることをお勧めします。人工股関節は、手術が無事に終わって何も問題がなくても、年に一度は定期検診で状態を確認していくことが大切で、手術をした医師とは長いお付き合いになるからです。脱臼や感染などの万一のトラブルを想定しても、自宅から通える範囲に主治医がいることは、患者さん自身の安心につながるでしょう。信頼できる医師のもと、気になることは何でも相談し、ご自身に合った治療に臨んでください。


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