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専門医インタビュー

股関節や膝の痛みは早めの受診を! 早期に治療を始めることで選択肢も広がります

この記事の専門医

山内 俊之 先生

神奈川県

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平成19年 慶應義塾大学医学部卒業後、整形外科入局。下肢疾患を専門とし関連病院を経て、現職。
専門分野:股関節外科、膝関節外科
資格:日本整形外科学会専門医、リハビリテーション認定医
所属学会:人工関節学会、日本股関節学会、足の外科学会

この記事の目次

どのようなタイミングで手術を考えたほうが良いですか?

自分でつめを切ったり、靴下をはけなくなるなど、今までできたことが段々とできなくなった時に、できなくなったことを手術で改善できるのではと思われたら、手術を考えてもよいのではないでしょうか。しかし、手術に対する抵抗が大きく、長年痛みを我慢し、骨が変形するだけでなく大きく欠損するまでガマンされる方もいらっしゃいます。手術を受けるタイミングは人それぞれですが、あまり大きく骨が欠損する前に手術を受けたほうが、人工関節が長持ちすると思います。

人工関節置換術について詳しく教えてください。

膝の可動域

人工関節置換術は、股関節や膝の傷んだ骨を削り、人工のものに置き換える手術です。サイズや形状はさまざまあり、日本国内だけでも多数の人工関節が扱われ、その方の骨の形や変形にあわせたものが選択されます。近年では人工関節で使用される人工軟骨(高分子ポリエチレン)の性能が向上し、約95%が15~20年は持つといわれています。膝の手術はしばらく膝が腫れた状態が続き、曲がりにくく感じることがありますが、退院時には100度ぐらいの膝の曲がりとなるケースが多く、これは階段の昇り降りが一段一段ゆっくりできる程度です。退院してからも腫れて痛みがあるときは冷やしたり、ご自身で曲げ伸ばしの練習を続けるようにします。術後1~2カ月もすると可動域が広がり、120度~130度まで楽に膝を曲げられるようになると思います。
手術に伴う感染や血栓症に対しては、バイオクリーンルームで手術を行い感染を予防したり、早期にリハビリを開始し血栓症を予防し、股関節の手術後に生じることがある脱臼(だっきゅう)は手術方法の進歩により発生頻度が減っています。

股関節の手術では、進入方法(アプローチ)にいくつか種類があると伺います。

進入方法(アプローチ)の種類

体のどこから皮膚切開して、股関節に達するかという進入方法は、前方・側方・後方アプローチの大きく3つに分けられます。患者さんそれぞれの状態や、抱える悩みを重視し、その解決に適した方法を選ぶことが大切です。
一般的に、手術後の脱臼を避けやすいのは前方・側方アプローチであり、近年多く採用されるようになりましたが、変形がかなり強くて骨が欠損しているような場合、後方アプローチが有効です。最近では後方アプローチ手術を行う場合、手術で切った筋肉を縫い直すなどの工夫により、脱臼の発生は非常に少なくなっています。また、両足の脚長差が大きい場合などは、後方アプローチまたは側臥位(そくがい)(横向き寝)での側方アプローチであれば、手術中に足の長さを揃えやすいと思います。


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