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専門医インタビュー

変形性膝関節症には多様な治療法があります 膝に痛みがあれば専門医に相談しましょう

この記事の専門医

中川 裕介 先生
  • 中川 裕介 先生
  • 国立大学法人東京医科歯科大学医学部附属病院 整形外科
    国立大学法人東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 生体支持組織学講座 運動器外科学 准教授
  • 03-3813-6111

東京都

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医学博士、整形外科専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター

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この記事の目次

手術にはどのような種類がありますか

骨切り術

骨切り術

代表的なものは骨切り術(こつきりじゅつ)と人工膝関節置換術(じんこうひざかんせつちかんじゅつ)です。骨切り術は、膝の内側または外側が悪い場合、太ももの骨やすねの骨を切り膝の形を変えることで、荷重がかかる位置を変え痛みの改善を目指します。自分の膝が残せるので、飛んだり跳ねたりなど負荷が激しいスポーツ・仕事の継続を希望する方にメリットが大きいと考えます。しかし人工関節の手術よりも入院期間が長く、リハビリに時間がかかる、術後一定期間松葉杖を使用しなくてはいけないので70歳以上の方にはメリット・デメリットをよくお話しして骨切り術を行うかどうか決めるようにしています。一方、人工関節は骨切り術が適応と考えられる方よりも、より軟骨の損傷や膝の変形が高度に進み、靭帯機能が低下している方が対象になります。手術は、傷んでいる膝の表面を削り人工のものに置き換える手術です。以前は、軟骨の代りになるポリエチレンの強度が低く摩耗しやすかったので60歳未満の方には行わない方が良いといわれていましたが、最近ではポリエチレンの加工処理が進化し摩耗しにくくなったので、10年で95%、20年で90%は耐用性があるとの報告があります。なお両方の膝が悪い場合、一度に両膝の手術をする場合があります。米国のガイドラインでは70歳未満での手術が推奨されていますが、手術方法、麻酔方法などが進歩したことにより、その方の健康状態がよければ70歳以降の方でも両膝同時に手術を行うことがあります。2回に分けて手術するよりも、入院期間や費用が抑えられ、片脚ずつリハビリをするよりもスムーズにリハビリを行えます。

手術による痛みの管理はどのように行われているのでしょうか?

人工膝関節の一例

人工膝関節の一例

昔から、人工膝関節置換術は、術後の痛みが非常に強いといわれてきました。そのため、両脚の状態が悪い方が片方の手術をした後に、手術にともなう痛みを懸念され反対側の手術を拒むというケースもありました。今日では、マルチモーダルペインコントロールといって、神経ブロック注射、手術中には痛み止めやステロイド剤などさまざまなものをまぜた薬剤を患部に注射したり、手術後は鎮痛剤を点滴投与したり、PCA(Patient Controlled Analgesia:患者自己調節鎮痛法)といって痛みを感じた時に患者さんの判断で鎮痛薬を投与する方法など、さまざまな方法や薬剤を用いできるだけ痛みを軽減する対策がとられるようになっています。その結果、以前よりも手術後の痛みが緩和し、術後早期からリハビリがスムーズに開始できるようになっています。

人工関節を入れ替える手術が必要な場合もあるのですか?

再置換術で使用する人工膝関節の一例

再置換術で使用する人工膝関節の一例。骨欠損を補填するブロックや固定を高める延長ステムなど、変形が厳しい症例にも対応できるようデザインされている

人工関節の感染や緩み、痛みが出ることなどで人工関節を入れ替える再置換手術が必要な場合があります。そのため、どんなに状態が良くても、定期的に受診し人工関節の状態を確認してもらうことが大切です。以前の再置換手術は大掛かりなものだったのですが、近年では手術方法や手術で使用する機器、人工関節インプラントの進歩により、高齢の方でも再置換手術が可能になっています。ただし、初回の手術と比べ、関節内の組織が癒着していること、骨が欠損したりしていることが多く、再置換用の特殊なインプラントを使用する必要があり、手術の難易度が高くなりより高い専門性が求められるます。そのため、限られた施設でしか行われていないこともあるので、将来的に再置換手術を受けることも想定し、長く付き合える病院を選択されることもポイントになると思います。


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