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専門医インタビュー

股関節の痛みは我慢せず専門医に相談を 手術方法や人工関節も進歩しています

この記事の専門医

藤原 勇輝 先生
  • 藤原 勇輝 先生
  • 宝塚市立病院 主任医長
  • 0797-87-1161

兵庫県

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日本整形外科学会 専門医
日本股関節学会評議委員

この記事の目次

手術後はかなり痛みがあるのでしょうか。

手術前の神経ブロック注射や、手術中に患部に複数の痛み止め薬などを混ぜたカクテル薬剤の注射など、術後の疼痛を抑えるための処置をさまざまに工夫されています。薬の種類も増え改善されており、かつてのように麻酔から覚めた瞬間にとても痛い、というようなことはほぼないと思います。
手術後は、翌日からリハビリを始めます。最初は立ちあがって足踏みをするなど簡単な動きですが、入院期間中に徐々に動かせる範囲を広げ、1本杖をついて歩けるようになったら退院の目安になります。

退院後の生活について教えてください。

深くしゃがみこむ姿勢は少し難しい

退院後はしばらく杖をつきながらにはなりますが、普通に生活ができるようになります。上げ膳据え膳ではなく、できるだけ自分で日常生活をするようにしていただくことがリハビリにもつながります。だいたい2ヶ月ぐらいで杖が外れて普通に歩けるようになる方が多いと思います。痛みはほぼ取れますが、半年ぐらいは、歩いた時に違和感を感じるという声を聞きます。正座なども特に禁止はしていませんが、和式トイレのように深くしゃがみこむ姿勢は少し難しいかもしれません。
普通に歩けるようになった後も、人工関節の破損などのリスクはありますから、激しいスポーツは避けてください。特に、マラソンのように長時間にわたって上下動を繰り返すような運動は股関節にかかる負担が大きいので控えたほうが良いでしょう。また、ジャンプを繰り返すような動作もよくありません。ただし、ゴルフや卓球、テニスのようなスポーツは、無理のない範囲で続けている方が多くいらっしゃいます。

最後に、股関節の痛みで悩んでいる患者さんへのメッセージをお願いします。

藤原 勇輝 先生

「できるだけ手術はしたくない」という思いは、皆さんに共通するものだと思います。変形性股関節症は、手術をしなかったからといって命に関わる病気ではありませんので、医師としても無理に手術を勧めることはありません。また、手術に伴う合併症として脱臼や感染などのリスクがあります。しかし、痛みが強いままでは、進行を遅らせるための筋肉トレーニングに取り組むのもなかなか難しいという現実があります。ご自身の価値観を大切にしながら、専門医とじっくり相談し、メリット、デメリットを十分に理解した上で、納得できる選択をしてほしいと願っています。


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