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専門医インタビュー

四十肩・五十肩と軽視せずに受診を 適切な診断と治療で機能回復を目指しましょう

この記事の専門医

鎌田 孝一 先生
  • 鎌田 孝一 先生
  • 河北総合病院 副院長 整形外科主任部長 手術部部長
  • 03-3339-2121

東京都

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日本整形外科学会認定整形外科専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本肩関節学会所属、順天堂大学整形外科・スポーツ診療科非常勤講師

この記事の目次

肩関節鏡視下手術について教えてください

腱板断裂の修復手術

腱板断裂の修復手術

腱板断裂の場合は、肩に5、6箇所小さな穴を開け、周囲の炎症組織を切除した上で骨にアンカーを埋め込んで腱板を縫い込みます。手術は全身麻酔ですが、術後局所麻酔のカテーテルを入れたままにし、そこから必要に応じて痛み止めを注入して痛みのコントロールを行うこともあります。従来の直視下手術に比べて低侵襲(ていしんしゅう)であることが大きな利点です。筋肉を切る部分が少ないことから手術後のリハビリが早くできる、出血量も痛みも少なく、傷が小さくて済みます。医師の側からしても、複数空けた穴からスコープを入れ、モニターで拡大して見るので、しっかり病変の確認ができます。患者さんにとっても術者にとってもメリットは大きいといえるでしょう。ただし、手術は受けて終わりでなくその後のリハビリも大切です。そのため、手術の流れや手術後の生活などを医師からよく説明を受けた上でご自身が納得して治療を進めるようにしましょう。また、一般的な手術のリスクとして感染などのおそれがあるほか、持病や全身状態によっては手術が適応とならない場合もあります。

肩関節鏡視下手術後のリハビリについて教えてください

腱板断裂の場合、入院期間は一般的に1週間程度ですが、年齢の高い患者さんが多いこともあり、リハビリには時間をかけます。3~4週間は装具で固定して動かさないようにし、ゆっくりゆっくり3カ月をかけて100度のバンザイができるようにもっていきます。外旋運動(前へならえの状態から腕を外側に開く)は、3カ月で10度~20度動かせるくらいですね。その後、さらに2~3カ月かけて全可動域を目指します。

肩関節鏡視下手術の合併症にはどんなものがあるのですか。予防はできますか?

合併症として考えられるのは腱板の再断裂ですが、これは手術中に何重にも糸をかけてしっかりと縫い込み、リハビリを指導通りにゆっくりと行えば予防できると考えます。再断裂は比較的、術後間もなく起こることが多いので、最初の3カ月が大事です。丁寧にリハビリをし、3カ月、6カ月、12カ月の節目ごとにMRIで状態を確認していきます。
腱板断裂の修復手術を受けて退院した後は、外転装具をつけている期間は布団の上げ下げも、洗濯物を干すのも、力を入れて包丁を使うのも、避けていただきます。持ち上げていいのは箸と鉛筆まで、動作はキーボードを叩くくらいと考えてください。3カ月経ったらMRIで経過を観察し、良好であれば1~2kgから3~4kgの荷物を持てるようにリハビリします。6カ月後のMRIで問題なければ、制限を外しても大丈夫でしょう。ジョギング、ウォーキング、ゴルフは推奨できるスポーツです。


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