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専門医インタビュー

変形性股関節症の原因にあった適切な治療を受けましょう

この記事の専門医

加畑 多文 先生
  • 加畑 多文(かばた たもん) 先生
  • 金沢大学附属病院 准教授
  • 076-265-2000

石川県

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専門:股関節外科、人工関節、関節リウマチ
資格:日本整形外科学会専門医、日本リウマチ学会専門医

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この記事の目次

手術後に懸念される合併症に対し、どのような予防策をとっていますか?

人工股関節の一例

人工股関節の一例

手術の種類や内容に関わらず懸念される合併症に感染があり、人工股関節置換術においてはとくに注意を払わなければいけません。なぜなら、人工股関節には、当然のことながら血流がなく、白血球などによる殺菌ができないからです。そのため、抗生剤の投与をはじめとした感染管理を徹底します。そのほか、人工股関節置換術において注意を払わなければいけないのが骨折と脱臼です。骨折は大腿骨に人工関節を挿入するときに起こりやすいため、骨への負担を軽減する人工関節などを使用します。手術後に人工関節が外れる脱臼を回避するために、綿密に術前計画を立て適切な位置に人工股関節を設置することが重要であるだけでなく、脱臼が懸念される患者さんには、脱臼しにくい人工股関節を用い、手術後は脱臼しやすい動作を避けるように指導します。

手術後はどのようなリハビリをおこないますか?

水中ウォーキング

水中ウォーキング

骨切り術の場合、骨を切っているため骨が癒合(ゆごう)するのに時間がかかるので、時間をかけじっくりと立つ歩くといったリハビリをおこないます。人工股関節置換術の場合、個人差はありますが手術の翌日から体重をかけ、翌々日から立って歩くリハビリをはじめ、2週間程度で退院となります。退院後は、日常生活動作にくわえ、ウォーキング、サイクリング、ゴルフなどのスポーツも可能です。ただし、ジョギングなど着地をともなったり、サッカーなど接触をともなったりするスポーツは、着地や接触の瞬間に体重の数倍にもなる荷重がかかり、人工股関節が破損する原因となるため避けるべきです。一方で、ぜひ取り組んでもらいたいのが水泳や水中ウォーキングです。水の浮力と抵抗力を同時に得られ、より負担なく、より効率よく、筋肉を鍛えられます。

股関節の手術をするか迷っている方にメッセージをお願いします。

「本当によくなるのだろうか?」「もとに戻れるの?」と手術に対してネガティブに考えたり不安に思っている方が多いかと思います。しかし、治療を受けて「よくなって今よりもっと何か出来るようになろう」と前向きにとらえていただきたいと思います。股関節の痛みや動かしづらさを解消し、今後の人生の質を高めようとする気持ちは、リハビリの充実にもつながります。股関節に痛みや違和感があれば医師にご自身が抱えている悩みや不安を相談し、今後のご自身の人生を考えて、治療に前向きになっていただければと思います。


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