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専門医インタビュー

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この記事の目次

腰が痛いと思っていても実はその原因が膝や股関節にあることがあります。正しく痛みの原因を知り適切な治療を受けることが大切です。膝や股関節の痛みの原因を探るために、様々な専門医とともに痛みの原因の究明やその治療に取り組まれている4人の先生方に膝や股関節の痛みの原因や治療法を詳しくお聞きしました。

膝や股関節の痛みの原因となる疾患にはどのようなものがありますか?

古屋 中年以降の膝の痛みであれば、変形性膝関節症によるものが一番多く、軟骨がすり減って骨と骨がぶつかることによって痛みが出てきます。高齢の女性に多いのが特徴ですが、標準体重を超える方や、若い時に怪我をして半月板を痛めたことがある方などは比較的早い年齢から痛みが出ることがあります。日本人は欧米人に比べてO脚の方が多く、膝の内側の軟骨が痛む内側型(ないそくがた)の変形性膝関節症が多いと言われています。

正常な膝と内側型の変形性膝関節症

変形性股関節症

小林 大腿骨頚部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ)などの外傷(がいしょう)や、子どもであればペルテス病(太ももの骨の先端部分への血流が途絶され、骨の細胞が死んでしまう病気)などもありますが、高齢者以降は変形性股関節症による痛みが最も多くなります。原因は大きく2つに分かれ、1つは原因が分かっていない一次性と呼ばれるもの。もう1つは寛骨臼形成不全(かんこつきゅうけいせいふぜん)といって、太ももの骨の先端がはまっている骨盤側のくぼみ(寛骨臼)が生まれつき小さいと、加齢に伴って2次性の変形性股関節症になることがあります。

どのような痛みを感じたら受診を考えるべきなのでしょうか?

佐藤 安静にしていても良くならない痛み、悪化していくような痛みの場合は受診したほうがいいでしょう。また、すでに受診していても、3カ月程度通院しても痛みが取れないような場合は、一度、総合病院で詳しく検査してもらうことをお勧めします。実は高齢者が要介護になる原因の4分の1は整形外科の疾患です。将来、寝たきりにならないためにも早い時期から治療をすることが非常に大切なのです。

小林 そのほかに、特に高齢者で転んでもいないのに急に股関節が痛くなった場合は、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を原因とした大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折(だいたいこっとうなんこつかぜいじゃくせいこっせつ)なども考えられますので、早めに受診をして詳しく原因を調べてもらうのがいいでしょう。

腰痛だと思っていたのに本当の原因は膝や股関節だったケースもあるのですか?

ヒップスパインシンドローム

小林 ずっと腰が悪いと言われていたけれど、改めて検査してみたら股関節や膝の疾患だったということもあります。そのため、本当はどこが悪いのかという原因をきちんと見極めることがとても大切になります。また、治療を続けてもなかなか良くならない場合は、他の場所が本当の原因かもしれません。診ていただいている先生に他の病院に行く、とは言い出しづらいという話をよく聞きますが、他の先生の意見を聞くことも患者さんご自身の当然の権利であることを忘れないでください。

佐藤 整形外科では専門性を活かすために、股関節や膝関節、脊椎など部位別に診断や治療していることが多いと思います。ただ膝が痛いといっていても、股関節や腰が痛みの原因の場合もあります。施設によっては、股関節や膝関節、脊椎を専門にする先生方が連携し痛みの原因を突き止め、治療を行っている施設がありますので、そのような施設を受診されたほうが痛みの原因を知る近道になるでしょう。


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