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専門医インタビュー

適切な治療タイミングを逃さないためにも膝の痛みは我慢せずまずは専門医に相談を

この記事の専門医

玉井 宣行 先生
  • 玉井 宣行 先生
  • 玉井病院 理事長 兼 手術部統括部長
  • 072-471-1691

大阪府

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金沢大学医学部卒、大阪大学大学院卒(医学博士取得)
専門分野:整形外科、一般外傷、人工関節全般、骨軟部腫瘍、人工骨資格・所属:日本整形外科学会整形外科専門医、日本整形外科学会整形外科指導医、日本整形外科学会、日本人工関節学会、日本リハビリテーション医学会、日本緩和医療学会、日本骨代謝学会

この記事の目次

人工関節手術後のリハビリテーションプログラムを教えてください

リハビリ

一般的に手術翌日には離床し、理学療法士のサポートのもとで膝を曲げ伸ばしする可動域訓練を始めます。可能な方はリハビリ室に移動して、平行棒や歩行器を使った歩行訓練を開始します。歩行能力の再獲得に加え、床からの立ち上がりや入浴動作、階段昇降といった日常生活動作の練習も合わせて行います。
単顆置換術は退院時にほぼ膝の腫れが引いていますが、全置換術では傷口や置換部分が大きいので炎症も強く、膝の腫れが引くのに1~2カ月はかかります。その間は、家事や仕事は様子を見ながら行うようにしましょう。

患者さんが人工関節と上手に付き合っていくための注意点はありますか?

自宅でのリハビリ

大きな制限は設けていません。事前に相談はしていただきたいですが、よほど激しい動きでなければ大抵のスポーツは大丈夫です。しかし実は、手術をして変形も改善したし、痛みもないけど、出歩くのは不安なので家にいるという方が意外に多いのです。近年は手術手技や人工関節が進歩しており、再置換率もいぜんより大幅に低くなっています。また、術後『歩けるかしら』など心配な事があっても、患者さんにしっかり寄り添い不安を解消していきますので、あまり心配されなくても良いと思います。慎重になりすぎず、しっかり歩き、1時間くらいは連続して歩ける身体を目指しましょう。そのためにも、退院後のリハビリは大切です。可能であれば、週に1~2回、3~6カ月間は通院リハビリを。通院が難しければ自宅でのリハビリでも十分に効果はあります。継続して行うように心がけてください。

膝の痛みに悩んでいる方や手術を迷っている方へアドバイスをお願いします

長年膝の痛みに悩んでいると、「歩く」という行為が過去のものになって、あきらめてしまう方も少なくありません。動かなければ、膝があまり痛くないので、歩くことをあきらめているのかもしれません。しかし、動かず家に引きこもりがちになると、糖尿病や高血圧を併発する場合や、うつ状態や認知症を引き起こすこともあるといわれています。また、あまりに症状が進行してからでは、受けられる治療も限られてきます。膝に違和感や痛みがあれば、まずは膝の専門医に相談し、関節がどのような状態なのかを正確に診断してもらいましょう。適切な時期に診断を受ければ、手術以外にも治療の選択肢はたくさんあります。


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