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専門医インタビュー

膝の痛みの治療は「意欲と筋力」が大切です。早めに専門医へご相談ください

この記事の専門医

大谷 真史 先生
  • 大谷 真史(おおたに まさふみ) 先生
  • 総合大雄会病院 人工関節センター 診療部長
  • 0586-72-1211

愛知県

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主な専門領域:整形外科、関節外科(人工関節・リウマチ)
所属学会:日本整形外科学会、日本リウマチ学会、日本人工関節学会
資格:日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医、日本人工関節学会認定医

この記事の目次

術後にはどのようなリハビリを行いますか?

階段歩行訓練

術後翌日からリハビリを開始します。ベッド上で膝の曲げ伸ばしといった無理のない運動から始め、車いすへの乗り移りや歩行訓練を行います。理学療法士によるリハビリの合間に、膝の可動域を広げる運動やボールストレッチなどの自主トレーニングも行っていただきます。「入院中こんなに忙しいと思わなかった」と驚く方もおられますが、大部屋の仲間とお互いに励まし合い、張り合いを持って自主トレにも取り組めるようです。
入院期間は3週間ほどが目安です。手術前に杖なしで歩いていた方であれば、杖を使わずに平らな場所を歩行でき、手すりを使って階段を昇り降りできる状態を目標にしています。手術後は筋力が一時的に落ちているため、退院してからも3~6カ月はボールストレッチによる筋トレや膝の曲げ直し運動といった自主トレを続けてください。

退院後、人工関節について気をつけることはありますか?

転倒による骨折を防ぐことは大前提ですが、痛みがなければ、日常生活でできることをどんどんやってください。
ご自宅での生活は階段や段差があるので、こまめに動くことが良いリハビリになります。せっかく手術を受けたのですから、積極的に動いてもらえたほうが医師にとっても幸せです。
スポーツはウォーキングやゴルフといった軽い運動は問題ありませんが、頑張り過ぎは禁物です。一晩寝て、次の日に同じ運動ができるぐらいの運動量と強度を目安にしてください。バレーボールなど激しめの運動を再開する時は、事前に医師に相談し、耐久性への影響といったリスクを納得した上で取り組んでほしいと思います。
盲点になりがちなのが食生活です。食べているつもりでも栄養バランスが偏っている場合があります。筋肉を落とさないためにも、タンパク質を意識的に取り入れるようにしましょう。

最後に、膝の痛みに悩んでいる方にメッセージをお願いします

専門医に相談

膝の痛みによって日常生活に支障が出始めたら、一度整形外科を受診して、ご自分の状態をきちんと把握することが大事です。一時的な膝の炎症によって痛みが出ているケースも多く、膝の変形に問題がないと診断されれば安心材料になると思います。ただし一時的な炎症を繰り返していくうちに膝の変形が徐々に進んでいくこともありますので、かかりつけの整形外科で膝の状況を見守っていくと良いでしょう。もし保存治療を続けても痛みがなかなか改善されない場合は、セカンドオピニオンとして総合病院を活用するのも良いかもしれません。膝の専門医を受診したからと言って即手術ということはなく、膝の状態を診察し、患者さんとのコミュニケーションを深めてから、選択肢のひとつとして手術を提示することが多いです。また進行度合いによって負担のより少ない手術方法を選択できることもあります。歩けなくなるほど我慢を重ねる前に、早めに専門医へご相談ください。


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