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専門医インタビュー

人工関節の手術は単なる「治療」ではなく、関節の「リノベーション」であり人生の「新しい一歩」のプロデュースです

福田 誠 先生

岐阜県

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医学博士、日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医

この記事の目次

膝や股関節の人工関節置換術は、国内では年間17万例ほど行われる一般的な手術になっています。しかし、手術を受けることに抵抗があったり、病院へ行くことにあまり良いイメージを持っていなかったりして、手術だけでなく受診を控えている方が多いようです。多治見スマートクリニック代表である福田誠先生に、進歩してきている医療の現場や、人工関節の手術を受ける上で大切にしたほうが良いことについてうかがいました。

整形外科でのオンライン相談には、どのようなことが期待されるのでしょうか?

オンライン相談

変形性関節症の正確な診断には、膝や股関節に触れたり動かしたりして診察する対面診察やオンライン相談画像検査が必要です。しかし、すでにかかりつけのクリニックなどに通院されている方であれば、セカンドオピニオンとして他の医療機関で意見を聞いてみたい場合や、どの病院で手術を受けたほうが良いのか調べたい方もおられると思います。従来であれば、実際その医療期間に出向いて診察を受けるしか方法がありませんでしたが、今ではホームページからオンライン相談が気軽に受けられるようになりました。
オンライン相談を通じて、セカンドオピニオンとして受診したいと思う医療機関の医師の人となりや病院の雰囲気などを事前に知ることができるようになったことは、患者様にとっても医療機関を選びやすくなったと思います。
特に遠方の医療機関への相談には、移動コストを掛けずに気軽に相談できるオンライン医療相談は患者さんにとっても有用な方法の一つです。
インターネットの普及によって日本中・世界中の方がフェアに自分にあった医療機関の情報にたどり着けるようになったことは素晴らしいことであると思います。

より満足できる治療を受けるためには、どのようなことに気を付ければ良いでしょうか?

退院セレモニー赤のバラとレッドカーペット

退院セレモニー
赤のバラとレッドカーペット

変形性膝関節症や股関節症の治療は長期間にわたることがあり、手術となった場合、退院後は定期的に受診する必要があるなど、一生その病院と関わっていくことがあります。しかし、病院に行くと直ぐに手術を勧められるのではと思っている方や、あまり良いイメージを持っていない方もおられると思います。
そうすると、一生付き合っていく病院を探すことが難しいだけでなく、受診することさえ控えるようになると思います。
ところが最近では、医師だけでなく、病院にいる全ての方が、分け隔てなく患者さんに積極的に話しかけたり、様子を気にしたり、退院時にはセレモニーを行うなど、これまでのイメージを変える様々な取り組みがされています。色々なことが話せる環境であれば、よりご自身のことを理解してもらえ、より良い治療法が選択しやすいと思います。また、それだけでなく、病院に行ってお話をしたい、声をかけてもらいたいという、人と人とのつながりを持ちたいと感じてもらえるように、病院が進化していけば、単に治療のための場所ではなく、楽しみの一つの場所となることが期待できます。医療技術だけでなく、どのような対応をしてもらえるのか、ご自分に合っているのかなどが分かれば、より満足して納得できる環境で治療を受けられると思います。

手術を受けないと決めた場合は、どのような治療を行うのでしょうか?

手術を受けるかどうかは、その方ご自身が決定することです。色々ある治療の中から、手術を受けないという重大な決定をされたら、医師はそれをめいっぱい尊重し、ご家族の方はしっかりと認め協力してあげることがとても大切です。手術を受けないと決めた方だけでなく、手術を受けたくても受けられない方や、仕事や家庭の事情のために、できるだけ手術までの期間を延ばしたいと考える方などもおられます。現在は、再生医療も含め色々な治療が行えるようになっています。しかし、治療を受ける目的は、残りの人生を満足させたい、手術までの期間を延ばしたい、と人それぞれです。しっかりとその方の思いや考えに寄り添い、治療の選択肢を提案していくことこそが大切だと思います。


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