関節治療の専門医に聞いてみました!

第43回 早期の診断と正しい治療で膝痛を解決!

  • 七森 和久 先生
  • 大分中村病院 副院長 整形外科部長 リハビリテーション科部長
  • 097-536-5050
ドクター
プロフィール
大分医科大学(現:大分大学医学部)卒業。日本整形外科学会専門医、日本リハビリテーション医学会認定臨床医。「大分車いすマラソン」をはじめとした障がい者スポーツへの取り組みにも積極的に参加し、大分ヒートデビルズ(bjリーグに所属するバスケットボールチーム)のチームドクターも務める
エリア 大分県タグ
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脚を伸ばせない、長時間歩くのがつらい、階段の昇り降りが困難だ、といった膝の痛み。
その原因の多くは、膝に負荷がかかり膝軟骨がすり減ったりして起きる「変形性膝関節症」です。膝に痛みや違和感があれば、我慢したり歳のせいとあきらめたりせず、早期に整形外科などの専門医に診てもらうことが大切です。膝痛の原因から受診のタイミングや治療法まで、大分中村病院の七森和久先生にうかがいました。

そもそも、変形性膝関節症とはどんな病気なのですか?

変形性膝関節症のX線

変形性膝関節症は、加齢に伴って膝関節のクッションである軟骨がすり減り、傷んでくることが原因で発症します。ただし、軟骨がすり減ることだけで痛みが生じるのではありません。軟骨が減ったことで膝のバランスが崩れて関節が変形したり、炎症が起きたりすることで痛みが生じます。中高年の方で多い病気で、特に60歳以降になるにつれて患者さんの数が増え、肥満の方に特に多く見られます。変形性膝関節症は「一次性」のものと、「二次性」のものに大別することができます。ですが、その多くは筋肉の衰えや肥満、生活習慣などの要因が絡み合い膝への負担となって発症する「一次性変形性膝関節症」です。 一方、けがや病気などを原因とするものを「二次性変形性膝関節症」といいます。
患者さんの中には、長年膝の痛みや違和感を覚えながらも、年齢のせいとあきらめて病院を訪れず、我慢できないほどの痛みになって初めて受診される方が多くいます。一般的に日本人は我慢強い特徴がありますし、中でも高齢の方はその傾向が顕著で重症化してしまうのです。一度発症したら若い頃のような膝に戻すことはできませんが、適切な治療を適切な時期に受ければ症状の進行を遅らせたり、痛みのない普通の日常生活を取り戻したりすることができます。膝の痛みのため、あまり歩かなくなり脚の筋肉も衰え、さらに膝に負担がかるという悪循環にならないためにも、なるべく早めの受診をお願いします。

膝の痛みといっても様々ですが、変形性膝関節症の場合はどんな症状が特徴的ですか?

変形性膝関節症は症状が進行すると、膝の曲げ伸ばしで
雑音が聞こえたり、O脚やX脚がひどくなったりします

初期の頃は、膝の裏がつっぱったり、立ち上がる時や動き始めなどに違和感があったりします。その後、まず痛みがはっきりと自覚できるようになり、正座やしゃがむ等の動作が苦痛になってきます。階段の昇降もつらく、特に降りる時がつらくなるはずです。症状が進行すると、軟骨がすり切れることでO脚やX脚がひどくなり、膝の曲げ伸ばしで音が聞こえることもあります。また、すり減った軟骨の粉が関節の中に入りこむことで炎症が起き、膝の周辺が熱を持って腫れやむくみが出てきます。膝に水がたまって、膝が張っているような感じが現れることもあります。さらに症状が進み末期になると、日常生活に支障が起こるほどの激しい痛みが生じます。この段階では骨の変形も相当進み、外見的にも関節の変形が目立つようになります。
変形性膝関節症の進行度の診断は、痛みなどの自覚症状の他にレントゲン検査などの画像診断を行いますが、症状の現れ方や進み方は人によって千差万別です。レントゲンでみると膝関節の変形が相当進んでいるのに痛みをあまり感じていない人、逆にひどく痛みを訴えるのに変形がほとんど見られない人など様々です。


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