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専門医インタビュー

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この記事の目次

中高年世代に多い、凍結肩(いわゆる四十肩・五十肩)。そのうちに治ると思って、放置していませんか? その中には、重症化するものや腱板断裂など別の原因が紛れていることがあります。肩に痛みがあれば、正確に診断してもらうことが大切と言われる、自治医科大学 整形外科学教室 学内准教授 笹沼秀幸先生に肩が傷む原因や、腱板断裂に対する様々な手術方法について詳しく教えていただきました。

肩関節の構造について教えてください

肩関節は、球関節と呼ばれるボールと受け皿のような構造をした、人体の関節の中で一番可動域が大きい関節です。球関節には股関節もありますが、ボール部分(大腿骨頭:だいたいこっとう)は大きな受け皿(臼蓋:きゅうがい)でしっかりと覆われている安定した関節です。それに対して、肩関節は、小さな受け皿(関節窩:かんせつか)の上に大きなボール(上腕骨頭)が乗っているような不安定な構造になっています。関節唇(かんせつしん)や関節包(かんせつほう)、腱板(けんばん)などによって支えられていますが、スポーツなどを行っているときに肩関節の安定性が損なわれると痛みが生じたり、脱臼を生じやすいということになります。
肩関節は、一般的に認識されている上腕骨頭と関節窩で構成される肩甲上腕関節だけでなく、肩甲胸郭関節と言って肩甲骨が胸郭の周囲を動く部分も含みます。肩を動かすときは、肩甲上腕関節だけでなく、こちらの関節の動きにも支えられており、肩の痛みは肩甲骨を動かす筋肉などの影響を受けることがあるので肩甲骨周囲の筋のストレッチやリハビリは重要になります。

肩関節のしくみ

肩関節のしくみ

中高年に多い、凍結肩の原因について教えてください

凍結肩の炎症部位

凍結肩の炎症部位

中高年世代の二大肩痛が、凍結肩(いわゆる四十肩・五十肩)と腱板断裂です。
凍結肩は、何らかのきっかけによって肩の関節包に炎症が起き、痛みが生じて肩の動きが制限されます。30代から50代の方に多く発症するのですが、明らかな原因は分かっていません。凍結肩は、痛みの強い炎症期、関節の動きが固くなる拘縮期、症状が回復してくる回復期という3つの病期に分かれます。自然治癒される方もおられますが、中には長期間にわたり症状が改善しない方もおられます。
肩に痛みや違和感があれば早めに肩の専門医を受診するようにしましょう。

凍結肩と間違いやすい腱板断裂の原因を教えてください

腱板は、棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょっかきん)、肩甲下筋(けんこうかきん)、小円筋(しょうえんきん)と言う4枚の筋肉の腱の総称です。この腱板が、何らかの原因によって切れてしまった状態を腱板断裂と呼びますが、一度切れた腱板は自然に治癒することはありません。4枚の腱板のうち棘上筋腱は肩峰の下を通るので、腕を挙げる(動かす)時に高度に断裂しやすい特徴があります。腱板断裂は、怪我や事故などによる外傷性断裂と繰り返す重労働・加齢による変性断裂に分類することもあります。
また、高齢になる程その発症率が高くなり、痛みや筋力低下などの症状を呈する割合も高くなります。しかし、腱板を断裂していても日常生活に支障を感じなかったり、痛みが出なかったりする無症候性の方も多くおられます。

腱板は4つの筋肉から構成されます

腱板は4つの筋肉から構成されます

腱板断裂

腱板断裂


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