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患者さんストーリー

自分が好きなことや、我慢していたことが自由にできる。
歳をとっても希望が持てるようになったのです。

足関節

古田土賢一さん

古田土 賢一さん
左足首の手術を受けた年齢76歳、
右足首の手術を受けた年齢77歳

病名 変形性足関節症

治療法 人工足関節置換術

にこにこと穏やかな笑みを浮かべながら歩いてこられた古田土さん。足首の痛みに悩まれていましたが、人工足関節置換術を受けられたことで症状が改善され、現在も熱工学や睡眠学の研究者として活躍されています。手術を受けられた経緯や、手術後の生活などをお聞きしました。

取材日:2025/4/9

足首に痛みや腫れが出始めたのはいつ頃からですか?
変形性足関節症

変形性足関節症

古田土さん 60代後半あたりからですね。歩き始めはそうでもなかったのですが、30~40メートルも歩くと痛みが始まり、次第に強くなって、普通に歩くと足首の関節を使ってしまうので、わざとガニ股になって関節を使わないように歩いていました。
若い頃からバドミントンをやっていたので、最初はそのせいで痛みがあるのかなと思っていたのですが、それが原因でなくて関節にある軟骨に問題があったようです。両足ともに腫れがあってむくみも酷かったですね。

歩くこと以外にどのようなことが辛かったですか?

古田土さん 私は研究職なので、仕事でデータを取るときにセンサーをつけるため立ったりしゃがんだりしないといけないんです。でも、そのような動作をするには足首を使いますでしょ。それが上手にできなくて痛いし、センサーも上手につけられない。「ドテッ」と一度座ってからでないと動作ができない。それが辛かったですね。
左の足首が辛くなって「もうダメだな」って思ったのは75歳のときです。翌年には左の人工足関節置換術を受けました。その後、同じように右の人工足関節置換術を受けました。

どのような経緯で手術を受けることにしたのですか?

古田土さん 最初は足首を温める治療や電磁波治療から始めましたが、私の場合はすぐに効かなくなりました。女房と治療法を調べたり、知り合いの方に聞いたりしているなかで、学会の先生などに人工足関節置換術を紹介されたんです。当時は国内での手術件数が少なかったので少し心配でした。でもね、今は医学がすごく発展しているでしょ。だから、もう手術を受けるしかないかな、って。周りからも「手術をしたら痛みがやわらぐよ」って言われましたし、自分もそうなるんだろうなあって感じました。

人工足関節置換術
手術後の状態を教えてください。

古田土さん 最初は左足首の手術を受けたのですが、経過がすごく良かったんですよ。痛みを感じずにスタスタと歩けるし、立ったりしゃがんだりも自然にできるようになりました。調子に乗って歩き過ぎてしまい、先生にもう少しゆっくりリハビリしなさいって怒られたほどです。
左足首は快適だったのですが、その後、右足首の痛みが強くなったので翌年に手術を受けました。その時は、痛みは治まりましたが痺れが少しだけでました。自分の場合は左と右で手術方法が少し異なったこともあり、左と比べて右は少し治りが遅かった気がします。その後、痺れも改善しました。

退院後の経過はいかがですか?

古田土さん 仕事の関係で月二回ほど京都に行くのですが、その移動がとても楽になりましたね。駅って結構歩くし、階段もあるでしょ。特に上り下りが痛くて辛かったんです。でも、今は苦にならないですね。踏み込みも問題ないです。それから、手術前は痛いから踵から足を下ろして階段を上り下りしていたのですが、今はつま先から自然に足を下ろせます。歩くのが楽になったことが嬉しく、京都以外の出張も気兼ねなく行っています。仕事が終わってから美味しいものを食べに出かけたり、ついでにちょっとした遠出もできるようになりました。
そうそう、それから寝返りが楽になりました。以前は寝返りすると足首の痛みのために中途覚醒(夜中に何度も目が覚める状態)になってしまうことが多かったのですが、今はわりとぐっすり眠れるようになりましたね。また、これは個人的な症状かもしれませんが、手術前は足がつることがあったのですが、今はほとんどなくなりました。

寝返り
今後チャレンジしたい運動や生活動作はありますか?

古田土さん 庭いじりが好きでうちの庭は1年中花が咲いているのですが、立ったりしゃがんだりが楽になったので、もっと自分で手入れをしたいです。野菜作りももっと充実させたいなあ。ブロッコリーとか茄子とかトマトとか。ブロッコリーは昨年採れ過ぎましたけど、笑。やりたいことはたくさんありますよ。自分がしたいことを自由にやれるのが一番ですよ。それに、もっと研究もやりたいし、論文ももう少し書きたいです。

古田土賢一さん_
同じ疾患に悩んでいる方へメッセージをお願いいたします。

古田土さん 痛みだけじゃなく、人生や生活のなかで我慢していることがあるのなら、まずは誰かに相談してみることをお勧めします。そして手術について考えてみるのも良いと思います。好きなことや、我慢していたことを自由にできる、いくつになっても希望を持てることはすばらしいことだと思います。
また職業柄、睡眠がどんなに大切かということも知ってほしいですね。歳を取れば取るほど、睡眠の質が悪くなっていきます。したがって「上手に寝ること」が健康のためにとても大切なんです。痛みやそれに伴うストレスがあると脳も身体も熟睡できなくなります。私の場合は、手術をしたことで足首の痛みが改善され、寝返りを自然に打てることで睡眠の質も上がりましたし、楽に動けるようになりました。普段から携わっている睡眠について、身をもってその大切さを再確認できた体験となりました。

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