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専門医インタビュー

痛みのことが頭から離れず自ら行動を制限するようなら人工股関節を提案

この記事の専門医

林 淳慈 先生

埼玉県

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1986 年に東京医科大学卒業後、同年昭和大学藤が丘病院整形外科に入局。1999 年、新座志木中央総合病院整形外科部長、昭和大学藤が丘病院整形外科兼任講師。2003 年、同病院副院長、人工関節リウマチセンター長、2013 年より同病院院長。日本リウマチ学会認定リウマチ指導医・専門医、日本整形外科学会認定整形外科専門医、アメリカリウマチ学会(ACR)、日本臨床リウマチ学会、日本脊椎脊髄病学会、日本人工関節学会。

この記事の目次

術後のリハビリは、普通の歩き方を取り戻す訓練

リハビリテーション室

手術前から、股関節に負担がかかりにくい範囲で、水泳や自転車など、筋力を強化する運動をしてくださいとお願いしています。また症状が強い人の場合は、理学療法士の指導のもとリハビリを行うことが有用です。
手術予定日の2 日前に入院頂き、リハビリと麻酔の担当医による説明を受けます。手術の翌日、遅くても2日後にはリハビリを開始します。リハビリといっても、特別な動きを訓練するのではありません。リハビリ室や病院内を歩くだけですが、この練習はとても重要です。
特に手術前に「跛行(はこう)」があった人は、手術で左右の足の長さがそろい、今まで動かなかった関節が動くようになるのですから、普通の歩き方、動かし方のコツのようなものをリハビリの先生に教えてもらうのが必要なのです。
杖を使って自力で歩くことができる、手すりにつかまりながら階段の上り下りができるなど、日常生活に必要な動きができるようになってから退院します。2 週間から4 週間の入院が普通ですね。

手術後に注意することはありますか?

リハビリテーション室

手術前も手術後も、特に風邪をひかないように注意してください。
そして、虫歯や歯周病、水虫などもすべて治療しておくこと。菌が体内を飛んで、人工関節周囲に炎症を起こすこともあるのです。尿路感染症、肺炎、感染性内膜炎などの血行感染も怖いので、自分の体のメンテナンスは注意して行ってください。
私たち医師ができるのは骨のメンテナンスです。手術前から定期的に骨密度を測定、骨量の減少に気を付けます。
骨粗しょう症の人も、内服などによりコントロールが可能になって来ていますので、それを服用しながらチェックを続けていけば心配はいりません。人工股関節置換術後の定期検診は、車の車検と同じで、人工股関節を長持ちさせるためにも必要なことです。

患者さんへのメッセージをお願いします。

林 淳慈 先生

漫然と保存療法を続けていないで、定期的に状態を確認
足の付け根や太ももなどにつらい痛みがあれば、我慢しないで、一度は整形外科で的確な診断を受けて、どんな治療法があるのか正しい説明を受けてください。
できれば、腰も関節も足も、総合的に診察できる医療機関、医師に診てもらうことを勧めます。腰が悪いと思って長い間治療しているのに少しも改善しない、実は股関節が悪かったというケースも珍しくないのです。ただ漫然と保存療法を続けるのではなく、定期的に筋力や股関節の状態を検査して確かめること。
ADL(日常生活動作)が低下しすぎないように、他の関節や脊椎に二次的な変化が起こらないように注意が必要です。どの状態にある人も、痛みを一人で抱え込まないで専門家に相談、助けを借りてください。


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