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専門医インタビュー

人工股関節置換術で人生が変わる 動ける股関節を手に入れよう

徳永 邦彦 先生

新潟県

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1988年 新潟大学医学部卒業、新潟大学整形外科入局。1990年 新潟労災病院・整形外科勤務。1991年 新潟県立小出病院・整形外科勤務。1993年 新潟大学大学院入学、東京大学医科学研究所・感染症研究部留学。1995年 大阪大学・病理学教室留学。1997年 新潟大学大学院卒業、インディアナ大学・解剖学教室留学。1999年 新潟県立がんセンター病院・整形外科勤務。2000年 新潟大学附属病院・整形外科助手。2006年 新潟大学医歯学総合病院・整形外科講師。2007年より現職。

この記事の目次

「変形性股関節症は歳を取ったから誰もがかかる病気ではないし、全員に手術が必要なわけでもない」と話す徳永邦彦先生。股関節のスペシャリストのこだわりの治療法を聞きました。

成長の過程で生じる寛骨臼形成不全

正常(左)寛骨臼形成不全(右)

   正常         寛骨臼形成不全

変形性股関節症は、歳を取ったらみんながかかるものでもありません。大人になって、関節リウマチや骨頭壊死などが原因で発症する人もいますが、主な原因は、成長の過程で生じる股関節の寛骨臼形成不全なのです。
変形性股関節症は、股関節にある軟骨がすり減り、関節の隙間がなくなり痛みを生じます。今のところ、どのような方法でも軟骨の再生は出来ません。しかし関節の隙間がなくても、痛くない人もいます。
股関節の痛みを訴えている人には、日常生活で具体的に邪魔している痛みを診察室で再現してもらいます。再現して痛みが出るようでしたら、治療を行った方が良いでしょう。
また足の付け根周辺が痛くて歩きづらく、股関節が悪いのではないかと思い込んでしまう人もいますが、実は原因が腰にあるのに、鼠径部や股関節が痛くなることもあります。

股関節が悪いために、それまでの生活に制限が出ている

人工股関節全置換術の流れ

人工股関節全置換術の流れ

患者さんが困っていることの原因が、明らかに股関節にある場合には人工股関節置換術を勧めています。加えて、本人が良くなりたい、自由に動きたいという希望を持っていること。
どんなに股関節が原因で状態が悪くても、いくら家族や親族からお願いしますと頼まれても、本人が治療する気がなく、車椅子の生活でも構わないという人には、手術はしません。せっかく手術をしても、家の中にこもっていれば動かない股関節に戻るだけですから。
治療したことによって自分の生活を変える、生きている世界を変えたいと願っている人には、何とかしてその思いをかなえてあげたいと思っています。患者さんの要求する内容と、私たちが提供できるサービスとが合致した時に、手術という契約が成立するのです。

それまでの生活を変えない、筋力・体力を落とさないで

いつも言っていることは、手術が決まったからといって生活を変えないでくださいということです。よく、手術に備えて仕事を辞めてしまうとか、生活の場を2階から1階に移すなどという人がいますが、特別なことはしないでください。ふだん運動している人は、手術日のぎりぎりまでそれを続けてください。最高の筋力、体力を維持したまま手術に入ることが大事だからです。
横になったり、座っていたりする時間が長いほど、筋力が落ち、肺炎や膀胱炎、血栓症などにかかりやすくなるのです。ですから、筋力を落とさない状態で入院してください。
退院直後から、元の状態、それ以上の活動ができるように、そのために手術をするのです。


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