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専門医インタビュー

人工膝関節置換術で真っすぐな膝、豊かな人生をめざしましょう!!

この記事の専門医

齋藤 良彦 先生

東京都

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専門分野: 整形外科一般、膝・足関節などの関節外科・スポーツ医学
資格:日本整形外科学会 専門医、身体障害者福祉法 指定医、日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医/運動器リハビリテーション医/リウマチ医/スポーツ医/研修指導者、日本体育協会公認 スポーツドクター/ アメリカンフットボール指導員、日本医師会認定 健康スポーツ医、日本整形外科学会認定 スポーツ医、介護支援専門員(ケアマネージャー)関東学生アメリカンフットボール連盟メディカル委員、難病指定医

この記事の目次

手術後のリハビリは?

手術の合併症の一つに、足の静脈に血のかたまりができてしまう深部静脈血栓症やできた血栓が血管の中を流れていき、肺の動脈が詰まってしまう肺塞栓症というものがあります。これはエコノミー症候群ともいわれ、血液が固まらないようにするために、血栓をできにくくする薬を使用したり、脚をマッサージするフットポンプという機械を使って血栓の予防に努めています。
血栓予防のためにも、術後はなるべく早期に動いてもらいます。そのために痛みに対する工夫をしています。手術中から、作用機序の違うさまざまな痛み止めの薬を適切なタイミングで投与して痛みを感じにくくしています。痛みがないほど、術後のリハビリもスムーズになりますから。
手術直後のリハビリは、立ち上がり歩いたり、階段の上り下りの練習が中心で、特別なことではありません。当院のリハビリスタッッフは理学療法士をはじめとして、50名以上在籍しているので、患者さんは最低でも1日に2回、通常は1日3回、リハビリスタッフと一緒に病院の周囲を歩いたり、段差を歩く練習をすることができます。
家の中に階段があるか、布団なのかベッドなのかなど、患者さんの住環境に合わせて、それぞれに必要なリハビリ訓練を続け、自宅での生活が不安なくできるようになったところで退院です。1カ月弱で退院する方が多いですね。

動きに制限はありますか?

軽い小走りくらいはかまいませんが、本格的なジョギング、ランニングは積極的には許可していません。それでも、走っている方もいますが……。人工膝関節にしたら、何をしてはいけないという制限はありません。出来ることをして、楽しんでください。
実際に、「膝の痛みのためにできなかった動作が、できるようになった」と喜ばれる方が多いですね。旅行にも行けるし、外出もできる、何に対しても生き生きと積極的になる方が多いです。今まであきらめていた山登りに行きましたと報告する方もいます。O脚がひどかったので人前に出るのが恥ずかしかったという人が、膝がまっすぐになるタイトなズボンがはけるようになった、見栄えも歩き方もすっきりとして、自信ができたとおっしゃられた方もいらっしゃいました。見た目の問題は、患者さんの満足につながる、大事な要素です。

膝の痛みに悩んでいる方にメッセージをお願いします。

齋藤 良彦 先生

手術を迷っている方は多いと思います。特にお年寄りは我慢強い人が多いので、もう少し、もう少しと、手術を先延ばしにしている人も多いです。また、今は一人暮らしの高齢の方も多いので、自分自身の生活能力の維持が大事になります。自分で動ける、基本的な機能を回復することを目的とした人工膝関節置換術は、自律した生活のためにも有用なことだと思います。痛みや動きづらさを我慢しないで下さい。
健康寿命が長くなったために、90代でもどんどん手術をする方が増えています。全身状態にもよりますが、積極的に手術を行って、残りの人生を豊かなものにしていただきたいと思います。ただし、必ずしも手術を勧めるわけではありません。手術しないで済む方法も含めて、私たちはいつも、患者さんの立場に立った医療を、自分ならどうするかということを第一に考えて情報を提供するようにしています。どうぞお気軽に相談して下さい。




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