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専門医インタビュー

保存療法も、手術も患者さんが望むことをかなえてあげたい

この記事の専門医

飯田 惣授 先生

埼玉県

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TMGあさか医療センター人工関節センター/脊椎内視鏡センター センター長、埼玉医科大学病院非常勤講師
資格:日本人工関節学会会員、日本整形外科学会専門医、日本脊椎脊髄病学会指導医、日本整形外科学会脊椎内視鏡下手術・技術認定医

この記事の目次

決めるのは患者さん次第ですか?

人工膝関節置換術の流れ

人工膝関節置換術の流れ

変形性膝関節症と診断が付いたとしても、この先どんな生活をし、どんな時間を過ごしたいのか、患者さんそれぞれの思いによって、治療の目的が違ってきます。
私は、一人の患者さんに何年も何十年も関わって診ています。膝の痛みがひどくて動けない、レントゲンでみると関節の変化が進んでいるから、「では人工膝関節にしましょう」と簡単に決めることはしません。その人が、今までどんな生活をしてきたのか、そして今はどうしているのか、この後どんなことを期待して手術を受けたいと考えるか、などをじっくり話し合っていきます。
人工膝関節置換術を行うかどうかは患者さん次第です。本人の性格も含めて、この方なら手術を受けた後リハビリにも精を出して、満足のいく生活を取り戻してもらえるだろうと思った人には、積極的に手術を勧めます。
人間の体は機械ではありません。部品交換をすれば、それですべてOKというわけではないのです。もし単純に「知り合いの誰々さんが手術を受けて調子がよさそうだから、私も人工膝関節にしようかしら……」というのであれば、もう一度じっくり、一緒に考えてみます。筋トレや湿布で自分なりの生活ができているのなら、「慌てなくてもいいんじゃないの」という話をすることもあります。何度も話をしながら、そのうえで今の状態では自分らしい人生を送ることができない、もっと活動的な生活がしたいと望む人には人工膝関節置換術の選択するのがいいと思います。

人工膝関節置換術とはどんなものですか?

全置換術(左)と部分置換術(右)

全置換術(左)と部分置換術(右)

人工膝関節置換術とは傷んだ膝関節を人工のものに取り換えて、痛みを取り、自由な動きを取り戻す方法です。膝関節全てを取り換える全置換術と、一部分だけを人工のものにする部分置換術とがあります。
昔から行われていたのは全置換術で、安定した成績も出ている方法です。例えば膝の内側だけがすり減っているケースでは、できるだけ患者さん自身の筋肉や組織を温存してあげたいので、まだ関節の変形がそれほど進んでいないけれど、痛みが強いという場合には、部分置換術を行うようにしています。

全置換術と部分置換術、それぞれの適用とは?

全置換術(左)と部分置換術(右)の一例

全置換術(左)と部分置換術(右)の一例

部分置換術と全置換術、術後の回復度や満足度の違いがあるのかというと、一概には比べることは出来ません。どちらの方法でも、患者さんにとってそれが必要で適しているという場合に行いますから、どちらもそれぞれ満足度は同じだと考えています。 どの方法が患者さんにとって負担が少なくて満足の行く結果を生むか、常に見極めて選択していきたいと思っています。
10年も15年もヒアルロン酸注射に頼っています、という人の膝は、たいてい見た目にもO脚がひどく、レントゲンに映った関節は変形していて膝の曲がりが悪そうです。でも、本人はそれほど不自由でなく、曲がった脚で何とか動きまわることができている人もたくさんいます。30度~90度くらいしか曲がらない膝はむしろ痛くないのでしょう。
一方、痛みがきつくて辛いという人の中には、関節自体はそれほど変形しておらず、比較的よく動いているケースもあります。そういう人に部分置換術を行うと、痛みが取れて楽になります。実は、部分置換術に適している人の膝は不安定で、関節の中でいろいろなトラブルが起きやすいのだと思います。
全置換術と部分置換術、それぞれの適用があります。人工膝関節にも選択肢が二つあることを知らない人も多いのではないでしょうか。


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