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専門医インタビュー

関節の痛みは我慢しない!放置しない! 専門医としっかり相談し元気に生き生きと!!

深谷 英昭 先生
  • 深谷 英昭 先生
  • 名豊病院 整形外科
  • 0565-51-3000

愛知県

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平成16年 北海道大学医学部卒業後、北海道大学 整形外科入局。下肢疾患を専門とし北海道大学病院、製鉄記念室蘭病院を経て、現職。
資格:日本整形外科学会専門医、リハビリテーション認定医
所属学会:人工関節学会、日本股関節学会、足の外科学会

この記事の目次

膝や股関節の痛みに悩まされる中高年の人が増えています。歳だから仕方がないと思っている人も多いのではないでしょうか?はじめのうちは痛みに困っていても、じっとしていれば何とかなると思っていませんか? あまり動かずに放置していると、関節が硬くなりさらに痛みが増し動きにくくなってしまうことも。 「いいタイミングで人工関節にして、生き生きと元気に長寿を全うしてほしい」と話す深谷英昭先生に、うかがいました。

変形性膝関節症大きな誘因は?

変形性膝関節症

変形性膝関節症

中高年に起こる膝の痛みのほとんどが、変形性膝関節症によるものです。加齢とともに膝の軟骨が傷つき、痛みが生じてきます。軟骨を作っている成分は、加齢とともにだんだん水分が失われ、弾力がなくなり衝撃を吸収しづらくなり、ちょっとした刺激で部分的な損傷が起こることがあります。それが原因で変形性膝関節症になることがあるのですが、全ての人が変形性膝関節症になるわけではありません。
その違いはどこにあるのか、生まれついての膝の作り、骨格の作りや軟骨成分であるコラーゲンの質などによって、関節内の変化が顕著な人とそうでない人との差が出てくるのだと思います。
そのほかに、かつて軟骨や半月板、膝の靭帯にケガをしたことがある人は、変形性膝関節症になりやすいです。
もう一つ、長い間膝に負担をかける動作を続けてきた人。例えば長年農作業や和式の生活を続けているなど、生活環境によっても違いがでてきます。歩くだけでも体重の3~4倍の力が膝にかかっているといわれていますから、これまでどのくらい膝に負担をかけてきたかにもよります。

変形性股関節症を起こす原因は?

臼蓋形成不全

臼蓋形成不全

股関節も、同じように関節にかかる荷重によって軟骨が摩耗し痛みが出てくるのですが、日本の女性は、もともと骨盤側の関節のかぶりが浅い臼蓋形成不全の人が多く、それも誘因になっています。逆に男性は、股関節がかぶり過ぎているために骨と骨がぶつかり、関節が傷んでくるインピンジメントもみられます。
膝も股関節も、一度傷ついた関節は、治りません。さらに負担がかかり続けると、傷ついたところからどんどん壊れていきます。

どんな治療法がありますか?

ヒアルロン酸注射

ヒアルロン酸注射

診察室に入ってくる時から患者さんの歩き方を観察しています。レントゲンでみるとかなり関節が変形しているのに、それほど痛くないと言う人でも、歩き方を見ると足を引きずっている場合があります。痛くならないように、無意識のうちに関節を使わずに動いているから痛みを感じていないだけ、という人がたくさんいます。
さらに患者さんの話をしっかり聞いた上で、まず痛みの原因を探ります。最初に痛みが出たのはいつか?どんな時か?日常生活でどんなことをすると痛むのか?など、ていねいに聞いていきます。その際に患者さんの関節を触り、さまざまな情報とあわせ、患者さんの状態を正しく知るのが関節専門医の最初の仕事です。
まだそれほど関節の変形が初期の段階なら、膝も股関節も、消炎鎮痛剤を使い痛みを軽くした上で、関節周りの筋力をつけるトレーニングとストレッチが有効です。関節周辺の筋肉は、動くためだけでなく関節を支えるためにもとても重要です。
軟骨がまだ残っていれば、ヒアルロン酸の注射もそれなりに効果があると思います。しかし、軟骨が全くなくなってしまったら、注射の効果はほとんどないと思ってください。注射しても1日か2日したら効き目がなくなるとか、月に1、2回の注射を5回続けても効果がないなら、あまり有効ではないと思います。
このようにいろいろな治療法を組み合わせることがありますが、残念ながら壊れた関節は元には戻らないので、最終的には手術を勧めることもあります。


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