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専門医インタビュー

膝と股関節のお悩みは総合的な診断が必要です。痛みを忘れた生活を送るために納得のいく治療法の選択を。

この記事の専門医

藤田 貴也 先生
  • 藤田 貴也 先生
  • 独立行政法人国立病院機構 東京医療センター
    人工関節・再生医療センター長/整形外科医長
  • 03-3411-0111

東京都

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専門領域:股関節、人工関節手術、骨粗鬆症
専門医等:日本整形外科学会専門医
金田 和也 先生
  • 金田 和也 先生
  • 慶應義塾大学 助教
  • 03-3353-1211

東京都

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専門領域:膝関節、人工関節手術
専門医等:日本整形外科学会専門医

この記事の目次

手術後はどのようにリハビリを進めますか?

ウォーキングの写真

藤田 股関節では、一般的に手術の翌日から全体重をかけて立つ練習を始めます。次は歩行器を使い、1週間ぐらいで杖をついた歩行練習を始めます。入院期間は、杖で安定した歩行ができ階段などの日常生活動作ができるようになるまでで、片側で2週間弱、両側なら3週間弱程度です。両側同時でも50代などの比較的若い方は2週間ほどでリハビリを終えて退院していくこともあります。
入院中のリハビリの目的は、安定した歩行ができるようになること、脱臼を防ぐための日常生活動作を覚えることです。入院期間中だけでは十分な筋力をつけられませんので、退院後も日々の暮らしの中でリハビリを継続していくことが重要です。ウォーキングやスクワットなどは特に効果的です。

金田 膝関節の手術でも、翌日から全体重をかけて立つことができます。術後、寝たまま長く過ごすと足の血流が悪くなって血栓が生じ、深部静脈血栓症、いわゆるエコノミークラス症候群になる危険があります。そのため術後はどんどんリハビリを進めてもらうようにしています。膝の曲げ伸ばしに大切な大腿四頭筋を中心に筋力を鍛えたり、可動域訓練、歩行訓練を行います。一般的な入院期間は片足で2~3週間、両足では3~4週間が目安です。もちろん人それぞれですので患者さん一人一人に合わせたリハビリを心がけています。

退院後の生活で気をつけるべきことは何ですか?

女座りやとんび座りは避ける

藤田 股関節の場合、術中にどんな姿勢をしても脱臼する傾向がないことを確認していますが、女座りやとんび座りは脱臼する肢位に近いので避ける必要がありますが、それ以外の日常の生活動作には特に制約はありません。手術後1ヵ月半も経てば、もう杖なしで歩けてすごく調子がいいとおっしゃる患者さんが多いです。診察して問題がなければ活動性を上げてもらい、希望があればスポーツなども可能になります。激しいコンタクトスポーツは避けるべきですが、ぜひ活動的に過ごしてほしいですね。半年~1年に1回など定期的にフォローアップを重ねていく中でも、海外旅行に行ってきた、ゴルフやテニスなどのスポーツを再開した、など患者さんの満足度は総じて高いです。

金田 膝関節でも、積極的に動いた方がいいのは全く同じです。せっかく手術をしたのですから、生活を楽しむために、旅行もぜひ行ってほしいと思います。スポーツについては、人工膝関節の場合、横方向の急な動きは負担が大きいため、テニスなどは避けた方が無難です。どんなスポーツなら大丈夫かは先生と相談した上で行ってください。

関節の痛みに悩んでいる方へメッセージをお願いします。

藤田貴也先生と金田和也先生

藤田 人工関節置換術を危険な大手術と思い込んでいる患者さんも中にはいます。しかし近年、手術の技術は飛躍的に高まっており、体への負担も小さくなりました。また、総合病院であれば、他科とも連携した治療ができ、高齢の患者さんでも各専門医のサポートを受けて、リスクをできるだけ抑えた上で手術に臨める環境があります。
一度の手術でその後の人生の生活の質 が大きく上がるという点で、人工関節は十分検討に値する選択肢だと思います。あまり怖がり過ぎず、まずは専門医に相談してみてください。

金田 患者さんに「膝のことをどのぐらい気にしながら生活しているか」を尋ねることがあります。痛みがあれば気になるもので、食事中や買い物中、就寝時など常に膝のことが頭から離れないという人は少なくないでしょう。手術後の定期検診などで、患者さんから言われて一番嬉しいのは「膝の手術をしたことさえ忘れていた」という言葉です。毎日関節の痛みを気にして暮らしている人は、「痛みを忘れた生活」を得るために、一度整形外科を受診されることをお勧めします。


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