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専門医インタビュー

膝や股関節の痛み 悩んだり、ガマンしないで専門医に相談し自立した生活を

この記事の専門医

丹羽 陽治郎 先生
  • 丹羽 陽治郎(にわ ようじろう) 先生
  • 茅ヶ崎市立病院 副科部長・人工関節センター長
  • 0467-52-1111

神奈川県

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身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)、公益社団法人日本整形外科学会整形外科専門医、公益社団法人日本スポーツ協会公認スポーツドクター

この記事の目次

手術は、どのようなタイミングで考えたほうが良いでしょうか?

日常生活に支障がある痛み

骨の変形度合いなどによって関節鏡視下手術や骨(こつ)切り術、人工関節置換術があります。ただし手術は無理矢理受けるものではなく、誰しも受けたくないものです。しかしガマンしてガマンしてようやく病院に行った時には、手術しか選択肢がなかったり、手術を希望されても内科的な持病のため手術を受けられない場合があります。
多くの場合は、保存療法を続けることで痛みが軽減します。しかし保存療法を続けても、痛みのせいで旅行ができない、日常生活に支障があるといった場合は手術も治療の選択肢として考えてみて良いと思います。何歳までに手術を受けないといけないということはなく、全身状態が問題なければ手術を受けることができます。ですので、歳だからもう手術は受けられないと諦める必要はありません。

変形性膝関節症で行われる関節鏡視下手術、骨切り術とはどのような手術なのですか?

膝関節だけでなく、股関節の場合も軟骨の損傷や骨の変形が高度な場合は、一般的に人工関節の手術が選択されます。しかし、若くて軟骨の損傷が少ない方や、大腿骨頭壊死(えし)で壊死の範囲が狭い場合は、骨切り術を選択する場合があります。膝の場合、これまではすねの骨の一部を切り、内側にかかっている荷重が外側にかかるようにする骨切り術が一般的でした。現在では、使用する医療機器が進歩し、骨切り術は様々な方法が行われるようになっています。また以前は松葉杖などを使い体重がかからないようにする期間が1ケ月ほどでしたが、最近では2週間程度で体重がかけられ、事務職であれば退院後1ケ月くらいで職場復帰できるなど、早期の社会復帰が可能となっているので骨切り術を選択される方が増えています。
患者さんによっては膝関節の変形だけでなく、半月板損傷や滑膜炎を併発されていることがあります。そのような場合は、骨切り術だけを行うのではなく、関節鏡視下手術も行うなど、変形性膝関節症の治療は色々な手術方法を組み合わせて行うことがあります。多くの治療方法の中からご自身にあわせた治療が選択できるのは、患者さんにとってもメリットがあるのではないかと思います。

人工股関節全置換術

人工股関節全置換術

人工膝関節置換術

人工膝関節置換術

骨切り術(膝関節)

骨切り術(膝関節)

人工股関節置換術の際に行う術前計画はどのようなメリットがあるのですか?

ポータブルナビゲーション

ポータブルナビゲーション

手術前に患者さんのCT撮影を行い、その画像をもとに骨の3Dモデルをコンピューター上で作成します。その3Dモデルを使い、どの位置でどのくらい骨を切ったほうが良いか、人工関節はどの位置に設置するのが理想的なのかという一人一人の計画を綿密に立てます。手術中はポータブルナビゲーションを利用し、計画通りに手術が行えているか確認するだけでなく、両脚の長さは適正かなどを確かめながら慎重に手術を行います。人工関節を理想的な位置に置くことができれば、人工関節の機能が十分に発揮できるだけでなく、長期的な耐久性にも影響を与えると考えられます。


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