関節治療の専門医に聞いてみました!

第354回 膝や股関節の痛み悩んだり、ガマンしないで
専門医に相談し自立した生活を

  • 丹羽 陽治郎(にわ ようじろう) 先生
  • 茅ヶ崎市立病院 整形外科医長
  • 0467-52-1111
ドクター
プロフィール
身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)、公益社団法人日本整形外科学会整形外科専門医、公益社団法人日本スポーツ協会公認スポーツドクター
エリア 神奈川県タグ
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丹羽 陽治郎 先生

変形性膝関節症や変形性股関節症は、高齢者に多い病気と思われがちです。しかし生活習慣や、寛骨臼形成不全がある方では比較的若い時から痛みをガマンしていることも多いようです。変形性膝関節症の治療として、骨切り術や関節鏡視下手術を組み合わせて手術が行われるなど膝や股関節の治療方法は進歩しています。茅ヶ崎市立病院整形外科医長 丹羽陽治郎先生に変形性膝関節症や変形性股関節症の原因や進歩している治療法についてうかがいました。

中高年女性に多い、変形性膝・股関節症について教えてください

寛骨臼形成不全

寛骨臼形成不全

変形性膝関節症は、膝の軟骨が損傷することで痛みが出たり、骨が変形する高齢者に多い疾患です。しかし30代、40代といった若い方でも、膝を酷使しすぎると変形性膝関節症になることがあります。また半月板が切れることで、膝に痛みや違和感が出ることがあります。若い方であれば、切れている部分を縫合しできるだけ組織を温存する手術が行われることがありますが、高齢者の場合、切れている状態によっては部分的に切除し、できるだけ変形性膝関節症に移行しないように予防します。
日本人の場合、変形性股関節症になるほとんどの原因は寛骨臼形成不全(かんこつきゅうけいせいふぜん)と呼ばれる、骨盤にある寛骨臼という部分が不完全な形で成長したために、大腿骨の先端部分にある骨頭(こっとう)をうまく支えられていない状態になっています。そのため中には20代、30代から股関節に痛みがあってもガマンし、40代、50代になってようやく病院を受診されるという方もいらっしゃいます。

膝や股関節が痛む場合、どのようなタイミングで受診したほうが良いでしょうか?

膝が痛くても実は痛みの原因は股関節の場合

病院に行くと手術をさせられると、受診を怖がっている方が多くいます。そのため、インターネットなどで色々調べる方もいらっしゃいますが、ご自身の全身状態を正確に把握することは難しいと思います。というのも痛みの原因は必ずしも痛い部分だけではなく、膝が痛くても実は痛みの原因は股関節の場合や、股関節が痛みの原因と思っても腰が痛みの原因ということがあります。現在は治療方法だけでなく、検査方法も患者さんにできるだけ負担にならない方法がいくつもあります。膝や股関節に痛みや違和感があれば、ご自身の状態を把握するために、早めに受診するようにしましょう。受診が早ければ早いほど治療の選択肢が広がり、手術になるのを予防することにもつながります。

変形性膝関節症や変形性股関節症の治療方法を教えてください

家庭でできるトレーニング

よほど変形が進んでいない限り、いきなり手術ということはないと思います。基本的には保存治療と言って、消炎鎮痛剤を使用したり、ヒアルロン酸を膝関節内に注射したり、膝のサポーターや医療用の靴の中敷き(足底板)を使用する方法があります。中でも筋力トレーニングは大切で、筋力が付き、関節が安定することで痛みが軽減することが多くあります。
ただし筋力トレーニングを始めたからといってすぐに筋力は付きません。三日坊主にならないよう、股関節であればお尻(中殿筋)や太もも(大腿四頭筋)の筋肉、膝の場合は太もも(大腿四頭筋やハムストリング)やふくらはぎ(三頭筋)の筋肉を鍛えるトレーニングを、朝昼晩それぞれ10回~30回程度、まずは1ケ月くらいは継続して欲しいです。また肥満は膝や股関節に負担をかけます。食事の量を減らすといった方法で体重をコントロールするなど、ご自身ができるところから始めて欲しいと思います。日常生活では、膝や股関節に負担をかけない生活も大切です。あまり深く椅子やソファーに腰かけない、できるだけ正座を避けるといった生活習慣を見直すことも大切です。


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