メニュー

専門医インタビュー

人工股関節の手術は進化しています 信頼できる専門医のもと ご自分に合った治療選択を

この記事の専門医

荒 文博 先生
  • 荒 文博 先生
  • 医療法人 三愛会 池田記念病院 整形外科
  • 0248-75-2165

福島県

プロフィールを見る

専門分野:股関節疾患、外傷一般、人工関節外科
資格:日本整形外科学会認定整形外科専門医、日本人工関節学会認定医

この記事の目次

入院期間中のリハビリテーションや退院後に気を付けることはありますか?

階段の昇り降りの練習

ほとんどの場合、手術翌日から全荷重での歩行練習に入ります。最初は、歩行器を使い、その後は杖を使っての訓練を行います。平地が歩けるようになれば階段昇降も練習し、患者さんご自身に自信がつけば退院の目安としています。退院時にはすでに杖なしで歩ける方おられますが、転倒防止のために念のため杖を使ってもらいます。
人工関節と骨が固着するまで2~3カ月間かかるため、その間は無理をせず、飛んだり跳ねたりなど激しい動きは控えてください。前側方アプローチで行った場合、その期間を過ぎれば特に動作制限はなく、運動も徐々に再開して構いません。ただし、万一転んで人工関節の周囲で骨折してしまうと再手術が必要になり、場合によっては人工関節を入れ替えることになります。転倒には十分に注意すべきで、激しく転ぶような危険があるスポーツは望ましくありません。後方アプローチでの手術の場合は、和式トイレを利用するときのように深くしゃがむ動作や、膝を地面につけて座る「女の子座り」など避けたほうがよい動作や姿勢があるので、主治医の指示に従うようにしてください。

退院後も定期的な検診が必要ですか?

少しずつ摩耗が進む

退院後は、まず1カ月後に外来に来てもらい、その後は定期的に受診いただき、人工関節に問題がないか確認していきます。現在の人工股関節はかなり耐久性が延びていますが、それでも長年使い続けるうちに少しずつ摩耗が進むことは考えられます。摩耗により人工関節が緩んできても、初期段階ではあまり痛みを感じず、患者さんご自身はなかなか気づきません。定期検診により早期に異常を発見できれば、必要なタイミングで適切な対応がとれ、結果的に患者さんの体への負担を抑えられます。

手術を検討している方へのアドバイスをお願いします

人工関節の手術は、術後も主治医と長い付き合いになります。毎年定期検診に通うことを考えても、都道府県をまたぐような遠方ではなく自宅から通いやすい病院で、信頼できる先生を見つけることが大切だと思います。専門医探しで迷ったら、普段お世話になっている近所の整形外科クリニックで相談しても良いと思います。インターネットで検索しても分からないような病院の評判も、地元の先生ならご存知でしょう。人工股関節置換術は、永い整形外科手術の歴史の中でも、成功した手術のひとつといわれています。専門医への相談のもと、正しい情報を得て、極端に怖がりすぎることなくご自身に合った治療方法を選んでほしいと思います。


この記事の医師がいる
病院の詳細はこちら

ページの先頭へもどる

PageTop