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専門医インタビュー

一人一人の目標に応じて治療を相談することができます 膝の痛みを諦めず専門医と一緒に頑張りましょう

この記事の専門医

草山 喜洋 先生

神奈川県

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日本整形外科学会専門医、日本人工関節学会認定医、日本骨粗鬆症学会認定医、日本整形外科学会リウマチ医、日本整形外科学会運動器リハビリテーション医、日本整形外科学会脊椎脊髄病医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、身体障害者福祉法第15条指定医、難病医療費助成指定医、医学博士、日本整形外科学会スポーツ医、日本リハビリテーション医学会認定医臨床医

この記事の目次

患者さんだけでなく、患者さんのご家族も交え治療法を相談したほうが良いのですか?

変形性膝関節症と診断された場合、患者さんの状態を踏まえ、色々な治療法を提案します。
しかし、変形性膝関節症の手術は、急いで受ける必要はありません。ご自身だけでなく、ご家族を交え、医師と一緒に、膝の痛みのせいで何に困っているのか、痛みが取れたらスポーツや旅行など、何がしたいのかということを、十分に時間をかけて相談して欲しいと思います。手術方法は、年齢や変形の程度によって一様に決まっているのではなく、ご自身が望む状態になれるよう一人一人にあわせた、言わばオーダーメイド的な治療になります。手術には良い面だけでなく、合併症のリスクがあることも十分にご理解いただき、術後はしっかりとリハビリを行う必要があるので、患者さんご自身も“治すぞ”と頑張ってもらうことも大事になります。ご自身だけでなく、ご家族や医師と一緒に相談し、色々な治療法の中から納得できる治療法を選んでいきましょう。

骨切り術と部分置換術について教えてください

人工膝関節部分置換術

人工膝関節部分置換術

骨切り術

骨切り術

骨切り術は、膝関節の内側だけが傷んでおり、膝の靭帯が機能し、ある程度膝の曲げ伸ばしがしっかりできるということが一般的な条件になります。骨切り術にはいくつかの手術方法がありますが、主には下腿の骨を切りO脚になっている脚の形をややX脚に矯正し痛みを軽減させます。
その際に、必要であれば、半月板縫合や滑膜切除などの鏡視下手術を追加することもあります。術後は、骨が癒合するまでの期間が必要になりますが、ご自身の膝関節を温存できるので、正座、マラソンやサッカーなど高い活動性を維持できることが期待できます。
骨切り術と同じように、膝の内側のみが損傷している場合、悪くなっている内側のみを人工関節に換える部分置換術を行うことがあります。膝関節の表面全てを人工関節に置き換える全置換術と比べ、皮膚や骨を切る量が少ないので、出血や腫れ、痛みを抑えることができ、身体への侵襲が少ない手術です。骨切り術のように、正座や激しいスポーツなどを行うことはできませんが、靭帯を温存できるので人工物が入っていても違和感が少ない手術です。また、侵襲が少ないので、リハビリをスムーズに進めることができ、とにかく内側の痛みを早く取り、短期間の入院ですませたい体⼒に不安がある⾼齢の方に良い手術だと思います。

人工関節を設置する精度がかなり上がってきているのですか?

人工膝関節全置換術

人工膝関節全置換術

膝関節の変形が内側だけでなく、外側にも進んでいるような場合、全置換術が行われます。近年では、様々な研究の結果、どの位置に人工関節を設置し、靭帯などのバランスがどのようになっていれば、正常な膝により近づけているかが分かってきています。
正常な膝関節に近づけるために、術前に患者さんのCT 画像データをもとにコンピューター上で三次元の骨のモデルを作成し、どの位置に人工関節を設置できれば理想的なのかという手術前の計画を綿密に立てます。また、手術中は、術前に立てた計画通りになるよう、ナビゲーションシステムを使い、骨を切る大きさや角度を1mm、1°を計測しながら手術を行い正確な位置に人工関節を設置します。全置換術の手術を受ける多くの方は、膝の靭帯や関節包が固くなったり癒着していたりするので、膝の曲げ伸ばしを行いにくい状態になっています。術前の状態を把握したうえで、手術中にしっかりと安定した膝の曲げ伸ばしができるように、靭帯など膝関節全体のバランスを調整します。このような正確な人工関節の設置と、靭帯など軟部組織のバランスを調整し、できる限り正常な膝の状態に近づけるようにしていきます。


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