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専門医インタビュー

四十肩・五十肩 腱板断裂などの肩の痛みは我慢や放置をしないで早期に受診を

この記事の専門医

八田 卓久 先生

宮城県

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2002年 東北大学医学部卒業、2004年 東北大学整形外科入局。2014年 米国メイヨークリニック研究員。2016年 東北大学整形外科助教。2021年5月 関節外科スポーツクリニック石巻を開院
日本整形外科学会専門医、日本肩関節学会代議員、米国肩肘関節学会国際会員

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この記事の目次

リバース型人工肩関節置換術について教えてください

内視鏡を使った手術では改善できないほど腱板断裂が進み、軟骨部分が傷んでしまった方には、人工関節に置き換える「人工肩関節置換術」が選択されることがあります。従来の方法は変形性肩関節症の方を中心に行われてきましたが、腱板断裂が起きている方には適応外でした。そのような方に向けて近年では2014年に日本に導入された「リバース型人工肩関節置換術」の適用が増えてきています。
従来型人工肩関節置換術との大きな違いは人工関節のデザインです。従来型は肩関節の形状と同じで上腕骨側がボール、肩甲骨側が受け皿のような形状をしています。リバース型はその逆で上腕骨側が受け皿、肩甲骨側がボールのような形状をしていて、ボールに対して受け皿が大きいデザインとなっています。
従来型と比べてより安定した動きが可能となり、腱板が断裂している方であっても痛みの軽減だけでなく術後腕を上げるなどの動作に対応することができます。

従来型人工肩関節置換術

従来型人工肩関節置換術

リバース型人工肩関節置換術

リバース型人工肩関節置換術

リバース型人工肩関節置換術は誰でも受けられるのですか?

リバース型人工肩関節置換術は「原則65 歳以上である」「腕が上がらない」「広範囲で腱板断裂がみられる」などいくつか適用条件があります。ご自身はリバース型人工肩関節置換術を希望されても、診断の結果によっては異なる治療法が適応となることもあります。医師の適切な診断のもと、ご自身にあった治療を進めるようにしましょう。
またリバース型人工肩関節置換術を行う医師は資格が必要で、手術の執刀件数や講習を受けるなどの条件をクリアした医師のみが行うことができます。手術を受けられる施設には限りがありますので、事前に施設へ確認されることをお勧めします。

手術における合併症のリスクについて教えてください

手術には主な合併症として、感染症、人工関節の脱臼、経年的な使用による人工関節の緩みなどリスクがあります。
感染症は、糖尿病などの持病があるとそのリスクが高まるといわれています。そのような患者さんは持病の治療を先に行い、状態が落ち着いてからリバース型人工肩関節置換術を行うこともあります。人工関節の脱臼や緩みについては、術中に人工関節を適切な位置に設置することで予防できることが多いですが、術後のリハビリで適切な肩の動かし方の指導を受け、患者さん自身が人工関節に負担のかからない動作を心掛けていただくことも大切です。


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