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専門医インタビュー

適切な治療タイミングを逃さないためにも外反母趾は我慢せず専門医に相談を

この記事の専門医

田中 康仁 先生

奈良県

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専門分野:足の外科、スポーツ傷害、再生医療、関節リウマチ、血友病性運動器疾患、小児
資格:日本整形外科学会専門医・指導医・リウマチ医・スポーツ医、日本リウマチ学会専門医・指導医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本リハビリテーション医学会専門医・指導責任者

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この記事の目次

手術から退院までの流れを教えてください

一般的に、手術翌日にはかかとに体重をかけての歩行が可能です。ただし、骨切り術は骨折のように手術で骨を切りますから、骨が癒合するまでに約6週間、つま先に十分体重をかけられるようになるのに約2か月、立ち仕事に復帰するには約3か月かかります。座り仕事であれば基本的には翌日からでも可能ですが、入院期間は選択された術式や回復の程度、患者さんの希望、施設の方針などによって異なるため、1週間~2か月と幅があります。術中に設置したインプラントは、基本的には術後に取り出す必要はありません。抜糸までは約2週間です。
外反母趾の手術は関節の近くを触る手術なので、術後に関節の可動域が落ちることがあります。そのため、術後早期からのリハビリで、しっかりと関節を動かしていくことが大切です。

退院後に注意しなければならないことはありますか?

医師と相談

外反母趾の過矯正で、親指が内向きになりすぎる内反母趾になることがあります。そうならないためにも包帯の正しい巻き方を覚え、退院してからも術後1か月半くらいはしっかりと巻くようにしてください。
骨が癒合するまでは少し注意が必要ですが、癒合すれば生活動作に制限はありません。経過が順調であれば、術後3か月後くらいからはスポーツを検討することも可能です。足をよく動かして、足の指の筋肉を鍛えることを心がけましょう。
変形の再発や骨癒合の経過を診ていくために、定期的に通院していただくことも大切です。退院後1か月、3か月、6か月、1年とチェックし、問題がなければその1年後に再受診していただいて、2年間くらいはフォローアップをしていきます。変化を見逃さないために、術後の経過が良くても決められた通院は欠かさないようにしてください。

外反母趾の痛みに悩んでいる方や、受診を迷っている方へアドバイスをお願いします

ひと昔前は外反母趾の認知度は低く、病気だと認識していない人もたくさんいらっしゃいました。しかし、現在では外反母趾は足の代表的な疾患であり、足の健康のためのフットケアへの注目も高まっています。市販のフットケア用品も豊富に出ています。
しかし、気になる症状があれば一度は足の外科専門医を受診し、正しい診断と適切な指導を受けることが大切だと思います。多くの場合は保存療法だけで変形や痛みに改善が見られます。痛みが強く手術が必要な場合でも、変形が軽症~中等症のうちに行えれば術後の状態も良好なケースが多いです。
外反母趾を放置すると、進行することはあっても、自然治癒することはありません。外反母趾の変形や痛みが原因で負担がかかり、身体の他の部位に影響が出ることも考えられます。症状があれば我慢せず、早めに専門医に相談することをお勧めします。


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