メニュー

専門医インタビュー

自分の脚で歩くために股関節に痛みや違和感があれば早めに専門医に相談ください

この記事の専門医

伊藤 芳毅 先生
  • 伊藤 芳毅(いとう よしき) 先生
  • 中部国際医療センター 副病院長、整形外科統括部長、関節再建センター長
    岐阜大学医学部 客員臨床系医学教授
  • 0574-66-1100

岐阜県

プロフィールを見る

医学博士、日本整形外科学会 専門医、日本整形外科学会 認定スポーツ医・認定リウマチ医、日本リウマチ学会 専門医、日本人工関節学会 認定医

この記事の目次

退院の目安があれば教えてください

杖歩行

人工関節の手術後の痛みは、全身麻酔に加え硬膜外麻酔を併用し、術後2~3日までの特に痛みが強い期間をコントロールできるようになっています。骨切り術、人工関節の手術ともに入院期間中に杖歩行や階段昇降、床からの立ち上がり、浴槽へ入ることができるような訓練を行い、通常の生活が送れるようになれば退院となります。ただし、骨切り術の場合、骨を回復させる必要があるので、人工関節に比べると入院期間や荷重をかけるまでの時間がかかります。入院期間は人工関節で2~3週間、骨切り術で4~6週間です。

骨切り術を行った場合、退院してから気を付けることはありますか?

退院時には痛みが軽減し、機能回復にともない活動量が上がってくると思います。しかし、骨を切り移動し固定しているので、骨をきちんと癒合させ、関節軟骨が再生していくという過程が必要です。それがままならないうちに活動量を極端に上げると、逆に傷めてしまうことがあるので、できるだけ半年くらいは無理をしないように注意してください。
人工関節の手術を含め、激しく身体が接触するようなコンタクトスポーツを行うことは厳しいと思いますが、骨切り術後に、もともと行っていたスポーツであれば復帰されている方が多くおられます。

人工関節の手術後、自宅に戻ってから注意することはありますか?

日常生活において特に制限はありませんが、術後2~3ケ月は、人工関節が骨にしっかり固着し、筋肉など股関節周囲の軟部組織を回復させる必要があり、また脱臼リスクもあるのでその期間は無理をしないようにご注意ください。昔は、人工関節を長持ちさせるために、あまり動かないように、できるだけ杖を使うようにと言われた時代もありました。しかし、現在の人工関節は、これまでよりも長期の耐久性が期待されていますので、筋力や骨が衰えないように、高い活動性を維持していくことが大切です。しっかり動くために手術をしたのですから、しっかり歩き、もともとされていた趣味などを楽しんでいただきたいと思います。

股関節の痛みに悩んだり、治療を迷ったりしている方へメッセージをお願いいたします

変形性股関節症の治療は、単に変形の程度だけでなく、患者さんの生活なども考え、寄り添いながら治療を行うことが大切だと考えています。困っていることやご自身の希望をぜひ伝えていただき、一緒に相談しながら治療方法を考えていきたいと思います。
股関節の痛みを抱えている方は、二次性の変形性股関節症の方が多く、そのため比較的長く痛みに悩んでいたり、困っていたりする方が多くおられると思います。ご自分の人生を見据えた上で、長く付き合っていける医師を見つけ、その先生と一緒にご自分の股関節の治療を行うにはどういう方法が良いかをずっと診てもらい、ご自身の股関節に向き合っていただきたいと思います。


この記事の医師がいる
病院の詳細はこちら

ページの先頭へもどる

PageTop